ユーザーメールボックスを共有メールボックスに変換、または、共有メールボックスをユーザーメールボックスに変換することが可能です。
今回は、パブリックフォルダを共有メールボックスに変換できるかについてご紹介していきたいと思います。
結論から言うと、パブリックフォルダを共有メールボックスに変換する機能はありません。
そのため、パブリックフォルダを共有メールボックスとするには、以下の流れで共有メールボックスを作成し、メールデータを移行することで可能です。
パブリックフォルダから共有メールボックスに変更する手順
- 共有メールボックスを一旦、パブリックフォルダとは異なるアドレスで作成します。
- パブリックフォルダのメールデータを PST ファイルにエクスポートします。
- パブリックフォルダのメールボックスを無効化します。
- 共有メールボックスのアドレスをパブリックフォルダで利用していたアドレスに変更します。
- 手順 3. でエクスポートした PST ファイルを共有メールボックスにインポートします。
なお、パブリックフォルダー内のアイテムを共有メールボックスへ移行する場合、Outlook クライアントやコンテンツの検索でパブリックフォルダー内アイテムを PST エクスポートし、Outlook クライアントでインポートすることで可能です。
Outlook クライアントで PST ファイルをエクスポート/インポートする場合、以下の公開情報をご参考としていただきますと幸いです。
また、コンテンツの検索でパブリックフォルダのアイテムをPSTファイルにエクスポートする場合は、以下の手順にて実施してください。
コンテンツの検索について
メールボックス内のデータを開示する [コンテンツの検索] 機能では、権限を付与された管理者アカウントなどがメールボックス内のアイテム検索が可能です。
また、検索を行った結果は、PST ファイルへのエクスポートが可能であり、必要に応じ Outlook クライアントを利用しての確認やアイテムの復元などが行えます。
※ 削除されて保持されているアイテムは回復可能なアイテムフォルダー (Recoverable Items) 配下のフォルダーに格納されております。
また、対象がパブリックフォルダーである場合、パブリックフォルダーごとに対象指定を行うことはできず、パブリックフォルダー全体を対象とした検索処理が行われます。
また、pst ファイルへエクスポートされてくる単位として、パブリックフォルダーごとではなく、パブリックフォルダーメールボックス単位にて pstファイルは生成されます。
※ pst ファイル内では各フォルダーごとに区分されております。
1-1. 権限付与
コンテンツの検索を行う場合、事前に権限の付与が必要となります。
以下に権限付与方法をご案内いたします。
※ [eDiscovery Manager] の権限が付与されている場合、[◆ 1-2.] に進みます。
- 管理者アカウントにて、[Microsoft 365 コンプライアンス (https://compliance.microsoft.com/)] にサインインします。
- 左ペインの [アクセス許可] をクリックします。
- [コンプライアンスセンター] – [役割] をクリックします。
- 役割の一覧が表示されましたら、下にスクロールし [eDiscovery Manager] をクリックします。
- [eDiscovery Manager] が表示されましたら、下にスクロールし [電子情報開示管理者] - [編集] をクリックします。
- [電子情報開示管理者の選択を編集中] 画面から [編集] をクリックします。
- [+ 追加] をクリックし [コンテンツの検索] を利用するメンバーを選択し [追加] をクリックします
- メンバーが追加されている事を確認し [完了] をクリックし、画面が戻りましたら [保存] をクリックします。
- [eDiscovery Manager] メニューを閉じます。
※ 権限が反映されて、コンテンツの検索を利用できるまでお時間を要する場合がございます。
1-2. コンテンツの検索の実行手順について
- [eDiscovery Manager] 権限が付与されたメンバーにて、[Microsoft 365 コンプライアンス (https://compliance.microsoft.com/)] にサインインします。
- 左ペインの [コンテンツの検索] をクリックします。
- [+ 新しい検索]をクリックします。
- [名前と説明] 項目にて、[名前] を入力、必要があれば [説明] も入力し [次へ] をクリックします。
- [場所] 項目にて、[特定の場所] の [パブリックフォルダー] – [無効] をクリックし、[有効] に切り替えます。
- [次へ] をクリックし、[検索条件の定義] の画面で [検索クエリ] の指定を行います。
※ メールアイテムのみを検索いただく場合、[+ 条件の追加] より [メッセージの種類] を追加いただき、追加された [メッセージの種類] の項目を [いずれかと等しい]、入力欄に "email" と入力します。
※ 日付の範囲指定をする場合は、[+ 条件の追加] より [日付] を追加いただき、追加された [日付] の項目で範囲を指定します。
- [検索クエリ] の指定ができましたら、[次へ] – [送信] をクリックします。
1-3. 検索結果を確認する
[検索結果のプレビュー] と [エクスポート]、[レポート] を出力する方法がございます。
・ 検索結果のプレビュー
[◆ 1-2.] の手順後、もしくは、対象ルールの [クエリを開く] を選択した場合にプレビューを取得する動作となります。
・ PST エクスポートする
[◆ 1-2.] の手順後、即時にメール アイテム自体の PST エクスポートを行う場合、[その他] をクリックし、[結果のエクスポート] の方法を選択し処理をすすめます。
※ PST ファイルの出力が可能であり、出力容量の上限は日に 2TB となっております。
また、エクスポートする PST ファイルの容量が 10 GBを超える場合につきましては、10GB ごとに PST ファイルが分割される動作となりますので、あらかじめご承知おきくださいますようお願い申し上げます。
・ レポートを生成する
[◆ 1-2.] の手順後、即時にレポート (CSV ファイル) のエクスポートを行う場合、[その他] をクリックし、[レポートのエクスポート] を選択します。
※ 宛先や BCC などの情報を確認される場合、 [宛先行の受信者] [CC行の受信者] [BCC行の受信者] などから確認可能です。
※ 格納先フォルダを確認される場合、[元のパス] から確認可能です。
1-4. [コンテンツの検索] 結果を PST エクスポートする
- [eDiscovery Manager] 権限が付与されたメンバーにて、[Microsoft 365 コンプライアンス (https://compliance.microsoft.com/)] にサインインします。
- 左ペインの [コンテンツの検索] をクリックします。
- [コンテンツの検索] 画面から出力対象の検索ルールを選択し、[操作] をクリックします。
- メール アイテム自体のエクスポートを行う場合は [結果のエクスポート]、レポート のエクスポートを行う場合は [レポートのエクスポート] を選択します。
- 画面が切り替わりましたら、エクスポート対象項目を選択し、[エクスポート] をクリックします。
- [閉じる] をクリックし [コンテンツの検索] 画面に戻り、上部 [Export]をクリックします。
- 一覧より対象のルールを選択します。
- 表示されたルール名が正しい事を確認し [クリップボードにコピー] をクリックし、[結果のダウンロード] をクリックします。
- [ソースへの接続に使われる export key を貼り付けます] にコピーしたエクスポート キーを貼り付け、任意のダウンロード先選択し、[開始] をクリックします。
- ダウロードが完了するのを待ちます。
検索結果をエクスポートする場合、使用するコンピューターは下記のシステム要件を満たす必要があります。
<OS>
32 ビットおよび 64 ビット バージョンの Windows 7 およびそれ以降のバージョン
<ソフトウェア>
Microsoft .Net Framework 4.7 をインストールしている環境
<ブラウザー>
なお、電子情報開示エクスポートツールを使用する際に ClickOnce サポートを有効にする必要がございますのでご留意ください。