全てのメールアイテムについて指定した期間が経過したアイテムを削除したい場合、アイテム保持ポリシーにて、削除の既定タグを作成し、各ユーザーに割り当てることで可能です。
削除の既定タグについては、プライマリメールボックスの全フォルダに適用される動作であり、アーカイブメールボックスや非アクティブなメールボックスに対しても適用される動作です。
保持期間を 1 年とした既定タグをメールボックスに割り当てた場合、受信日を起算日として 1 年経過したプライマリメールボックス、および、アーカイブメールボックスのアイテムが管理フォルダアシスタントが動作したタイミングで削除され、回復可能なアイテム領域に移動し、既定で 14 日経過後に完全削除される動作となります。
"管理フォルダーアシスタント" については以下の記事をご参照ください。
また、特定のフォルダだけは期間を長くしたい、または処理したくないという場合は、ユーザーにて個人タグを任意のフォルダに設定することで、既定タグよりも個人タグが優先される動作であるため、個人タグの処理をおこなうこと可能です。
しかしながら、受信トレイや削除済みアイテムなどの既定で存在するフォルダについては、削除の個人タグが設定できない動作であるため、個人ユーザーにより削除の期間を変更する個人タグを設定することができません。
※ 既定のフォルダについては、アーカイブへ移動する個人タグのみ設定が可能です。
なお、自身で作成したフォルダについては、削除の個人タグを設定することができるため、受信トレイから作成したフォルダにアイテムを移動するなどで削除の個人タグの対象とすることは可能です。
既定のアイテム保持ポリシーである [Default MRM Policy] が全ユーザーに割り当てされておりますので、既定で以下の個人タグを利用することが可能です。
[ 種類:個人タグ ]
1 Month Delete : 30 日経過したアイテムは削除して回復を許可します。 (回復可能領域へ移動される)
1 Week Delete : 7 日経過したアイテムは削除して回復を許可します。 (回復可能領域へ移動される)
1 Year Delete : 365 日経過したアイテムは削除して回復を許可します。 (回復可能領域へ移動される)
5 Year Delete : 1825 日経過したアイテムは削除して回復を許可します。 (回復可能領域へ移動される)
6 Month Delete : 180 日経過したアイテムは削除して回復を許可します。 (回復可能領域へ移動される)
Never Delete : 削除しない (アイテム保持ポリシーによる削除を行わない)
Personal 1 year move to archive : 365 日経過したアイテムはアーカイブに移動する。
Personal 5 year move to archive : 1825 日経過したアイテムはアーカイブに移動する。
Personal never move to archive : アーカイブへ移動しない (アイテム保持ポリシーによるアーカイブへの移動を行わない)
例として、作成した任意のフォルダに [Never Delete] を割り当てた場合は、削除されずにアイテムが残り続ける動作となります。また、受信トレイなどの既定のフォルダに [Personal never move to archive] を割り当てた場合も同様に削除されずにアイテムを残し続けることが可能です。
なお、任意の期間の個人タグを作成する場合、ユーザーでは作成できないため、管理者にてあらかじめ作成していただく必要がございます。
以下に、削除の既定タグの作成、個人タグの作成、既定のアイテム保持ポリシー [Default MRM Policy] への追加手順をご案内いたします。
※ 既定で [Default MRM Policy] が全ユーザーに割り当てられておりますが、意図的に作成した別のポリシーに変更したユーザーは適用されないことをご留意ください。
1. 削除の個人タグを作成する手順
※ 上述した既定の個人タグで問題ない場合は省略してください。
- 管理者アカウントにて Microsoft365 管理センターへサインインし、[管理センター] > [Exchange] をクリックします。
※新しい管理センターの場合は、左ペインの [従来の Exchange 管理センター] をクリックします。
- Exchange 管理センターより、[コンプライアンス管理] をクリックします。
- [保持タグ] をクリックします。
- [+] をクリックします。
- [ユーザー別にアイテムとフォルダーに適用する(個人)] を選択します。
- 以下の内容で設定を行います。
- 名前 : 任意の名前を入力します
- 保持アクション : -
[削除して回復を許可する] : 該当メールボックスより削除が行われ、ユーザーから確認可能な回復可能領域に一定期間(既定では 14 日間) 保管が行われます。
[完全に削除する] : 該当メールボックスより削除が行われ、ユーザーからは確認を行えない回復可能領域に一定期間(既定では 14 日間) 保管が行われます。
-保持期間 : アイテムの保管日数が次の期間(単位:日)に達したとき : 1 ~ 24855 まで指定可能です。
- [保存] をクリックします。
※ 作成した個人タグを割り当てられているアイテム保持ポリシーに追加する必要があります。
2. 削除の既定タグを作成する手順
- 管理者アカウントにて Microsoft365 管理センターへサインインし、[管理センター] > [Exchange] をクリックします。
※新しい管理センターの場合は、左ペインの [従来の Exchange 管理センター] をクリックします。
- Exchange 管理センターより、[コンプライアンス管理] をクリックします。
- [保持タグ] をクリックします。
- [+] をクリックします。
- [メールボックス全体に自動的に適用する(既定)] を選択します。
- 以下の内容で設定を行います。
- 名前 : 任意の名前を入力します
- 保持アクション : -
[削除して回復を許可する] : 該当メールボックスより削除が行われ、ユーザーから確認可能な回復可能領域に一定期間(既定では 14 日間) 保管が行われます。
[完全に削除する] : 該当メールボックスより削除が行われ、ユーザーからは確認を行えない回復可能領域に一定期間(既定では 14 日間) 保管が行われます。
-保持期間 : アイテムの保管日数が次の期間(単位:日)に達したとき : 1 ~ 24855 まで指定可能です。
- [保存] をクリックします。
3. 作成した既定タグを [Default MRM Policy] へ追加する手順
- 管理者アカウントにて Microsoft365 管理センターへサインインし、[管理センター] > [Exchange] をクリックします。
※新しい管理センターの場合は、左ペインの [従来の Exchange 管理センター] をクリックします。
- Exchange 管理センターより、[コンプライアンス管理] をクリックします。
- [アイテム保持ポリシー] をクリックします。
- [Default MRM Policy] をダブル クリックします。
- [+] をクリックし、上記で作成した保持タグを追加したのち、[OK] をクリックします。
- [Default 2 year move to archive]、[Junk Email]、[Recoverable Items 14 days move to archive] は、[-] をクリックし削除します。
- [保存] をクリックします。
削除した保持タグについて
[ 種類:既定タグ (DPT)(メールボックス全体に自動的に適用する) ]
Default 2 year move to archive : 2 年経過したアイテムはアーカイブに移動されます。
[ 種類:RPT タグ (既定のフォルダーに自動的に適用する) ]
Junk Email (迷惑メールフォルダー内アイテムに適用) : 30 日経過したアイテムは回復可能領域に移動します。
Recoverable Items 14 days move to archive (回復可能なアイテムフォルダーに適用) : 回復可能領域に移動後 14 日経過したアイテムは、アーカイブの回復可能領域に移動します。
また、各ユーザーにて個人タグを適用する手順を以下にご案内いたします。
特定のフォルダーに [個人タグ] を設定する手順
Outlook on the web
- Outlook on the web (OWA) を開きます。
- 対象となる親フォルダーやサブフォルダーを右クリックし [ポリシーの割り当て] にカーソルをあわせます。
- 表示される個人タグの一覧より、任意の個人タグを選択します。
- [OK] をクリックします。
Outlook クライアント
- Outlook クライアントを起動します。
- 対象となるサブフォルダーを右クリックし [プロパティ] を選択します。
- [ポリシー] タブ を選択し、"フォルダーのポリシー" (削除に関する保持タグ) 欄のプルダウンメニューより、任意の個人タグを選択します。
※注意事項:受信トレイや送信済みアイテムフォルダーなどの既定のフォルダではこのプルダウンは選択できません(個人タグにて、自動削除のタグの設定ができないため)
- [OK] をクリックします。
※ Outlook 2013 の設定例となります。