削除されたアイテムが格納される回復可能なアイテム領域がありますが、削除されたアイテムだけが格納されるわけではありません。
以下の記事で紹介しておりますが、回復可能なアイテム領域の配下に削除したアイテムを保持するフォルダのほかに[Versions] [Audits] [Calendar Logging]があります。
[Audits] は監査ログ、[Calendar Logging]は予定表のログですが、[Versions]は"保持機能が有効が有効である場合、このフォルダーには、変更されたアイテムの原本と変更されたコピーが格納されています。"と実際にどういうものかわかりにくいですね。
実際の動作として調べたところ、Outlook クライアントでメールの件名を変更した際や添付ファイルの削除や文面編集などおこなわれることで変更前のメールアイテムの内容が [Versions] フォルダーへ移動し、指定された期間保持される動作を確認しております。
なお、何度も編集を実施すると、都度編集前のアイテムが上記のフォルダー内に保持されます。
動作確認した内容を以下にご紹介したいと思います。
件名の編集
Outlookクライアントにて、受信メールのアイテムをダブルクリックし、別ウィンドウで開いた状態で件名の編集する文字をドラッグして選択し、文字を入力または、[Delete] キーで削除し、左上 [ファイル] から [上書き保存] で格納されることを確認しました。
※Outlook on the web では件名の編集はできません。
添付ファイルの編集
Outlook on the webにて、受信メールの添付ファイルを右クリックし、[ブラウザで編集]をクリックすると、OfficeOnlineが開くため、文字を追加など編集することで自動的に保存され、格納されることを確認しました。
なお、Office クライアントで開いた場合、[上書き保存] や [名前を付けて保存] を実行した場合は格納されないことを確認してます。
添付ファイルの削除
Outlook クライアントにて、受信メールの添付ファイルを右クリックし、[添付ファイルの削除] をクリックすることで格納されることを確認しました。
※Outlook on the web では添付ファイルの削除はできません。
なお、[Versions] フォルダーに格納されたことを確認した方法については、Get-MailboxFolderStatistics のコマンドレットにて、あらかじめ [Versions] フォルダーの VisibleItemsInFolder でアイテム数を確認し、操作を実行後に、再度、Get-MailboxFolderStatistics コマンドレットを実行して [Versions] フォルダーの VisibleItemsInFolder でアイテム数が増加しているかで判断してます。
以下にコマンドレットをご紹介いたしますので、ご参考としていただけますと幸いです。
<構文>
Get-MailboxFolderStatistics -Identity <メールアドレス> | select Name,VisibleItemsInFolder
<実行例>
Get-MailboxFolderStatistics -Identity User001@contoso.comIna | select Name,VisibleItemsInFolder
<出力結果>
Name : フォルダ名
VisibleItemsInFolder : フォルダのアイテム数