社畜の所業

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Microsoft365の機能について解説をしていきたいと思います。このブログの情報をご活用いただければ幸いです。たまに他の情報も取り入れていきたいと思います。

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【Microsoft365参考書】管理フォルダアシスタントとは?アイテム保持ポリシーを動作させるもの?

管理フォルダアシスタント

 

今回は、アイテム保持ポリシーを動作させる際に動作する管理フォルダアシスタントについて記載したいと思います。

管理フォルダーアシスタントは、アイテム保持ポリシーに構成されたメッセージ保持設定を適用する Microsoft Exchange メールボックス アシスタントです。 

 

この機能がワークサイクル (最大 7 日) に 1 度処理を行う事により、アイテム保持ポリシーによる保持タグの適用やアイテムの移動・削除が行われます。

アイテム保持ポリシーに保持タグを追加した場合も、管理フォルダアシスタントが動作したタイミングで適用されます。 

 

 

例えば、アイテム保持ポリシーで受信日から1年経過したものをアーカイブに移動する保持タグを設定している場合、管理フォルダアシスタントが動作したタイミングでメールボックスの受信日から1年経過したアイテムをアーカイブに移動します。

そして、サイクルが最大7日ですので、次に管理フォルダアシスタントが動作するのは、1日後から7日後のいずれかとなります。

 

例 : 管理フォルダアシスタントが 1 月 1 日に動作した場合、次に管理フォルダアシスタントが動作するのは、1 月 2 日から 1 月 8 日のどこかで動作します。

 

まずは、管理フォルダアシスタントは、アイテム保持ポリシーを動作するための内部処理で、7 日以内におこなわれるものという認識でいいと思います。

 

また、管理フォルダーアシスタントの自動動作の対象となるためには、現在のメールボックスの使用容量が 10 MBを超えたメールボックスが対象となります。 

  

そのため、使用容量が 10MB 未満のメールボックスへ管理フォルダーアシスタントを実行する場合や、管理フォルダーアシスタントの自動動作 (ワークサイクルを待たずに、変更を行ったアイテム保持ポリシーの設定を反映させる場合などには、PowerShell にて手動で管理フォルダーアシスタントを実行することが可能です。 

 

 以下にコマンドレットをご紹介します。

 

 

  

 

管理フォルダーアシスタントを即時動作させる 

 

1. メールボックス単位で管理フォルダーアシスタントを走査させるコマンド 

[構文] 

Start-ManagedFolderAssistant -Identity <対象のメールアドレス> 

  

[実行例] 

Start-ManagedFolderAssistant -Identity User001@contoso.com 

  

2. 全メールボックスに対し、管理フォルダーアシスタントを走査させるコマンド 

下記の 2 つのコマンドを順番に実行してください。 

  

[実行コマンド 1] 

$Temp=Get-Mailbox -ResultSize Unlimited -RecipientTypeDetails UserMailbox 

  

[実行コマンド 2] 

$Temp|foreach {Start-ManagedFolderAssistant $_.PrimarySmtpAddress} 

  

※ 反映まで時間がかかる場合があります。 

※ 一度のコマンドレットの実行ではアイテムが処理されない場合がありますので、その際は、数回コマンドレットを実行してみてください。 

  

 

なお、管理フォルダアシスタントのログを取得する場合は、以下のコマンドレットで確認が可能です。

エラーログと実行ログについてご紹介します。 

 

エラーログ

以下のコマンドにて、過去にエラーが発生していた場合に情報が確認可能です。 

  

[構文1] 

Export-MailboxDiagnosticLogs -Identity "<対象ユーザーのメールアドレス>" -ComponentName MRM | Export-Csv -Encoding Utf8 -NoTypeInformation -Path "<保存先パス ファイル名>" 

  

[実行例1] 

Export-MailboxDiagnosticLogs -Identity "user@contoso.com" -ComponentName MRM | Export-Csv -Encoding Utf8 -NoTypeInformation -Path “c:\temp\MRM.csv” 

  

実行ログ

以下のコマンドレットにて、最後に管理フォルダーアシスタント操作が成功した時間が確認可能です。 

  

[構文2] 

[XML]$Log = (Export-MailboxDiagnosticLogs -Identity "<対象ユーザーのメールアドレス>" -ExtendedProperties).MailboxLog 

$Log.Properties.MailboxTable.Property | where {$_.name -eq "ELCLastSuccessTimestamp"} 

  

[実行例2] 

[XML]$Log = (Export-MailboxDiagnosticLogs -Identity "user@contoso.com" -ExtendedProperties).MailboxLog 

$Log.Properties.MailboxTable.Property | where {$_.name -eq "ELCLastSuccessTimestamp"} 

 

管理フォルダアシスタントで処理がおこなわれるもの

管理フォルダアシスタントが走査することでアイテム保持ポリシー以外にも以下のような処理もおこなわれます。

 

・訴訟ホールドなどの保持機能を無効化した場合の反映

・遅延保持機能の有効化

 

遅延保持機能については以下の記事でご紹介しておりますので参考としてくださいね。

it-bibouroku.hateblo.jp