今回は、コンプライアンスセンターの電子情報開示についてご紹介していきたいと思います。
ユーザーのメールボックスのデーターをPSTファイルをエクスポートする点においては、コンテンツの検索と差異がないようにも思えますので、まずはコンテンツの検索との違いについて触れてみたいと思います。
コンテンツの検索との違いについて
[コンテンツの検索] と [電子情報開示] は、メールボックス内のアイテムを検索・出力する観点では同様の動作となっております。
各機能の差違につきまして、主に下記の点があります。
コンテンツの検索
アイテム検索のみ可能となっております。
eDiscovery Manager の電子情報開示マネージャー / 電子情報開示管理者のどちらが付与されていても、別管理者が作成した検索ルールを参照することが可能です。
電子情報開示
アイテム検索とアイテムの保持が可能となっております。
eDiscovery Manager の電子情報開示マネージャーが付与されている場合は別管理者が作成した電子情報開示ケースを参照することができず、電子情報開示管理者が付与されている場合は別管理者が作成した電子情報開示ケースを参照することが可能です。
なお、保持機能については、保持期間は指定することができず、無期限保持される動作ですが、検索クエリで指定したアイテムのみ保持するといったことが可能です。
"電子情報開示管理者" は、ケースの [メンバーの管理] に含まれていなくても、自身もしくは他ユーザーが作成したケース、すべてのケースにアクセス可能です。
"電子情報開示マネージャー" は、自身もしくは他ユーザーが作成したケースで、[メンバーの管理] に含まれているケースに限り、参照・アクセス可能です。
メンバーの管理に含まれているケースのみ表示されます。
電子情報開示でPSTファイルをエクスポートする手順について、ご紹介します。
電子情報開示のケース作成手順
- 管理者にて、Office 365 サービスへサインインします。
- Microsoft365 管理センターを開き、画面左ペインの [管理センター] - [コンプライアンス] をクリックします。
- コンプライアンス センターにて、[電子情報開示] > [コア] をクリックします。
- [ケースを作成] をクリックし、[ケース名] と [ケースの説明] を任意で登録し、[保存] をクリックします。
- ケース一覧から作成したケースをクリックし、[検索] タブから [新しい検索] をクリックします。
- [名前と説明] ページで、[名前] と [説明] を任意で登録し、[次へ] をクリックします。
- [場所] ページにて、[Exchange メールボックス] を有効にし、[ユーザー、グループ、チームを選択] をクリックします。
- [検索] にて、検索対象のアドレスや表示名で検索し、対象ユーザーにチェックを入れ、[完了] をクリックし、[次へ] をクリックします。
※ 検索欄にアドレスや表示名を入力してからエンターキーを押すことで検索が開始されます。
※ 全メールボックスを指定いただく場合、[Exchange メール] の項目を有効にし、[すべて] の状態で進めます。
- [検索条件の定義] ページにて、[検索クエリ] の指定を行います。すべてのアイテムを検索する場合、何も設定を行わない事で可能です。
※ 日本語キーワードを入力して指定する場合、画面右上のリンク [クエリの言語と国] をクリックし、[日本語-日本] を選択し保存します。
※ メール アイテムのみを検索いただく場合、[+ 条件の追加] より [メッセージの種類] を追加いただき、追加された [メッセージの種類] の項目を [いずれかと等しい]、入力欄に email と入力いただくことで可能です。
※[コンテンツの検索] 機能にて、送信者や受信者の条件を設定して検索する場合は [+ 条件の追加] にて、抽出項目の設定が可能です。
9-1. [+ 条件の追加] をクリックします。
9-2. [条件の追加] 画面が表示されましたら、必要な項目([受信者]、[送信者] など)をクリックします。
9-3. [検索クエリ] に 項番2 で選択した項目(例 [受信者])が表示されますので、プルダウンより項目([いずれかと等しい] など)を選択し、[ユーザーの選択] 欄に、対象ユーザーのメールアドレスを設定し、[次へ] をクリックします。
- [検索の確認と作成] 画面が表示されますので、[送信] をクリックし、[完了] をクリックします。
[電子情報開示] 結果をエクスポートする
- [eDiscovery Manager] 権限が付与された管理者ユーザーにて、Office 365 にサインインします。
- 画面左ペインの [管理センター] - [コンプライアンス] にて、コンプライアンスセンターにアクセスし、画面左側のメニューから [電子情報開示] > [コア] をクリックします。
- [コア電子情報開示] 画面から出力対象のケースを選択し、[検索] タブにて、該当の検索ルールをクリックします。
- [操作] をクリックし、メール アイテムをPSTファイルにエクスポートを行う場合は [結果のエクスポート]、レポート のエクスポートを行う場合は [レポートのエクスポート] を選択します。
- 画面が切り替わりましたら、エクスポート対象項目を選択し、[レポートの生成] をクリックします。
- [閉じる] をクリックし [コンテンツの検索] 画面に戻り、上部の [Export] タグをクリックします。
- 画面より対象のルールを選択します。
- 表示されたルール名が正しい事を確認し [クリップボードにコピー] をクリックし、上部の [結果のダウンロード] をクリックします。
※ [このファイルを開きますか] という画面が表示された場合は [開く] をクリックします。
- [ソースへの接続に使われる export key を貼り付けます] に [クリップボードにコピー] にて、コピーしたキーを貼り付け、任意のダウンロード先選択し、[開始] をクリックします。
- ダウンロードが完了するのを待ちます。
電子情報開示より、作成した 保留リストから [新しい検索] を行う場合、検索対象となる "場所" を指定することが可能です。
この時、検索対象となる場所は、保留リストによって保持されている場所が対象となります。
"場所" を指定する際には、[特定の場所] を選択するか、[保留になっている場所] を選択することが可能です。
[保留になっている場所] は、選択された保留リストによって保持されている対象コンテンツ全体となります。
電子情報開示ケースから検索する場合には、保持されているメールデータのみを検索範囲に指定できるというメリットがあります。
以下に保持しているメールデータのみ検索する手順をご案内いたします。
保持されているメールデータのみを検索する方法
4.[電子情報開示] - [コア] をクリックします。
5.該当のケースを選択し、 [ケースを開く] をクリックします。
6.ケースのホームページで、[検索] タブをクリックします。
7.[検索] ページで、[新しい検索] をクリックします。
8.[新しい検索] ページで、キーワードと条件を追加して検索クエリを作成できます。
9.[場所: 保留になっている場所] で、検索するコンテンツの場所を選択します。
※同じ検索で、メールボックス、サイト、パブリックフォルダーを検索できます。
10.検索するコンテンツの場所を選択したら、[保存して実行] をクリックします。
11.名前、説明が必要であれば入力します。
12.[保存] をクリックします。
13.検索が完了すると、検索結果をプレビューできるようになります。