今回は、電子情報開示の保留リストによる保持設定がありますが、一括で保持対象を登録する場合の方法についてご紹介したいと思います。
複数のユーザーを一括で登録する場合は、Powershellを利用し、あらかじめCSVファイルに保持対象とするユーザーを記述しておき、インポートすることで可能です。
以下の手順をご案内いたします。
保留リストの新規作成
事前に PowerShell よりコンプライアンスセンターへ接続してください。
1. ケースの作成
[構文]
New-ComplianceCase -Name "作成するケースの名前"
[実行例]
New-ComplianceCase -Name "MailboxHold"
2. ポリシーの作成
[構文]
New-CaseHoldPolicy -Name "作成する保留リストのポリシー名" -Case "紐づけるケースの名前" -Enabled $true
[実行例]
New-CaseHoldPolicy -Name "MailboxHold" -Case "MailboxHold" -Enabled $true
※ GUIから設定した場合、"作成するポリシーの名前" と "紐づけるケースの名前" には同じ値が登録される動作となってます。
3. ルールの作成
PowerShell コマンドにて保持ルールを作成する場合、ルール内容を作成した後、ポリシーを設定する流れとなります
上記にて作成したポリシーに保持ルールを設定します。
[構文]
New-CaseHoldRule -Name "作成する保留リストのルール名" -Policy "紐づけるポリシーの名前"
[実行例]
New-CaseHoldRule -Name "MailboxHold" -Policy "MailboxHold"
保留リストへの保持対象ユーザーを登録する
CSV ファイルを使用した、保留リストへのユーザー追加
<CSV ファイルの構文>
Identity
[対象ユーザーのメールアドレス]
<CSV ファイルの作成例>
Identity
User001@contoso.com
User002@contoso.com
※ 1 行目は固定で、設定を行うアドレスを 2 行目以降に記載します。
※ 日本語を含めた CSV ファイルを作成される際には、文字化けが発生する可能性がございますので UTF-8 形式での保存をお願いいたします。
補足 : UTF-8 での保存の手順
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(1). CSV ファイルを右クリックし、[プログラムから開く] - [メモ帳] の順にクリックします
(2). 開いたメモ帳で [ファイル] - [名前を付けて保存] の順にクリックします。
(3). ファイルの種類で「すべてのファイル」を選択します。
(5). [保存] をクリックします。
[構文]
Import-Csv "保存した CSV ファイルパス" | foreach {Set-CaseHoldPolicy -Identity "保留リストの名前" -AddExchangeLocation $_.Identity; Start-Sleep -m 100}
[実行例]
Import-Csv "C:\temp\Addresslist.csv" | foreach {Set-CaseHoldPolicy -Identity "MailboxHold" -AddExchangeLocation $_.Identity; Start-Sleep -m 100}