
高齢受給者証をお持ちの方でも、「高額療養費制度」を利用することができます。この記事では、その仕組みと注意点についてわかりやすく解説します。
高額療養費制度とは?
高額療養費制度とは、1か月間に支払った医療費の自己負担額が、あらかじめ定められた限度額を超えた場合に、その超えた分が払い戻される制度です。
同じ世帯で、直近12か月以内に3回以上高額療養費制度の対象となった場合、4回目から限度額がさらに引き下げられる多数回該当という制度もあります。
また、入院などで医療費が高額になることがわかっている場合、事前に認定証を取得して医療機関に提示すれば、窓口での支払いが限度額までに抑えられます。
制度のポイント
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対象:健康保険に加入しているすべての人(年齢問わず)
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対象となる医療費:1つの医療機関ごとに、同一月内にかかった費用(入院・外来・薬局含む)
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払い戻し対象:自己負担額が「所得に応じた限度額」を超えた分
高齢受給者証を使った医療費の負担軽減
70歳以上75歳未満の方は、高齢受給者証を医療機関に提示することで、自己負担割合が1割または2割(一定の所得がある場合は3割)となり、さらに自己負担限度額までの支払いで済みます。
所得区分と自己負担限度額の目安
| 所得区分 | 外来(個人単位) | 外来+入院(世帯単位) |
|---|---|---|
| 現役並み所得者Ⅲ | 252,600円+(医療費-842,000円)×1%(多数該当:140,100円) | 同左 |
| 現役並み所得者Ⅱ | 167,400円+(医療費-558,000円)×1%(多数該当:93,000円) | 同左 |
| 現役並み所得者Ⅰ | 80,100円+(医療費-267,000円)×1%(多数該当:44,400円) | 同左 |
| 一般所得者 | 18,000円(年間上限144,000円) | 57,600円(多数該当:44,400円) |
| 低所得者Ⅱ | 8,000円 | 24,600円 |
| 低所得者Ⅰ | 15,000円 | 15,000円 |
※「多数該当」とは、直近12か月で高額療養費の支給が3回以上あった場合、4回目以降の限度額が軽減される仕組みです。
限度額適用認定証が必要な場合も?
「現役並み所得者」に該当する方は、医療機関の窓口で支払額を限度額までに抑えるために、「限度額適用認定証」の申請が必要になります。
一方、「一般」や「低所得者」区分の方は、高齢受給者証の提示だけで限度額が適用されるため、認定証の申請は不要です。
手続きの流れ
マイナ保険証で高齢受給者証が不要になる?
2024年12月2日以降、健康保険証の新規発行が終了し、マイナンバーカードを健康保険証として利用する「マイナ保険証」制度が本格的に開始されました。
これにより、70歳以上の方が医療機関を受診する際、マイナ保険証を提示することで、保険資格情報や自己負担割合(1割・2割・3割)がオンラインで確認できるようになり、高齢受給者証の提示が不要となります。
ただし、医療機関がオンライン資格確認に対応していない場合は、高齢受給者証が必要となることをご注意ください。
まとめ
高齢受給者証を持っている方でも、医療費の負担をさらに軽減するために高額療養費制度を活用できます。所得や治療内容により手続きが異なる場合があるため、ご自身の医療保険の窓口に確認するのがおすすめです。