予定表のアイテムの作成者を特定する場合は Get-CalendarDiagnosticObjects によって取得可能なオブジェクトログにて確認できます。
ただし、Get-CalendarDiagnosticObjectsのコマンドレットは、基本的にはトラブルシュートを行う際に予定表のログ情報を確認するためのものであり、削除済みのアイテムも含めて、1 つの予定アイテムに対して複数の情報が出力されます。
また、1 つの予定アイテムに対して複数のログが存在し、当該予定表の登録されている予定アイテムの全てのデータが出力されない可能性がありますので、確実に確認できない可能性がありますのでご注意ください。
なお、コマンドレットにて一度に取得できる件数は、1メールボックスにつき 1,000 件までとなります。
下記 URL を参照し、Exchange Online に接続してから実施してください。
Csv ファイルに特定のアイテムのログを出力するコマンドレット
[構文]
Get-CalendarDiagnosticObjects -Identity "対象のメールアドレス" -Subject "該当の予定アイテムの件名" | Export-Csv -Encoding UTF8 -NoTypeInformation -Path "C:\Temp\DiagnosticObjects.csv"
[実行例]
Get-CalendarDiagnosticObjects -Identity User@contoso.com -Subject "Item01" | Export-Csv -Encoding UTF8 -NoTypeInformation -Path "C:\Temp\DiagnosticObjects.csv"
出力した CSV の各属性について
CalendarLogTriggerAction … Create, Update, MoveToDeletedItems など、操作内容となります
ClientInfoString … 変更を行ったアプリケーション情報などと想定されます。
CreationTime … 該当アイテムが作成された日時 (UTC) です。
DisplayAttendeesAll … 出席者の表示名となります。
※ 出席者が多い場合、すべては表示されないように見受けられます。
GlobalObjectId … 1 会議に付番されるユニークな ID となります。
IsOrganizerProperty … 開催者のアイテムかを表します。
ItemClass … アイテムの種類となります
・ IPM.Appointment (予定、会議アイテム)
・ IPM.Schedule.Meeting.Request (会議出席依頼メール)
・ IPM.Schedule.Meeting.Resp.Pos (承諾メール)
・ IPM.Schedule.Meeting.Resp.Neg (辞退メール)
NormalizedSubject … 会議の件名となります。
SubjectProperty … アイテムの件名のように見受けられます。
OriginalLastModifiedTime …イベントを順序付けるための主ソートフィールドのように見受けられます。
ParentDisplay … 該当アイテムが格納されているフォルダー名となります。
ResponsibleUserName … 変更を行ったユーザー情報のように見受けられます。
StartTime … 予定の開始日時 (UTC) となります。
EndTime … 予定の終了日時 (UTC) となります。
SenderEmailAddress … 開催者の LegacyExchangeDN
上記から、アイテムの開催者情報となる "SenderEmailAddress" もしくは、変更操作を行ったユーザー名と見られる "ResponsibleUserName" を確認できます。
ただし、"SenderEmailAddress" および "ResponsibleUserName" は LegacyExchange DN という一意の値が出力されるため、ユーザーの判断ができません。
そのため、当該ログのメールアドレスを確認する際は別途以下のコマンドの実行が必要です。
[構文]
Get-Recipient "SenderEmailAddress もしくはResponsibleUserName の出力値" | select DisplayName,PrimarySmtpAddress