
この記事でわかること
- ディレクトリ同期ユーザーのMicrosoft 365上の表示言語を変更する方法
- 【重要】Azure AD Connectの名称変更・バージョンに関する最新情報
- preferredLanguage属性の反映範囲と、反映されない画面(Exchange Onlineメールボックス側)への対処法
ディレクトリ同期(オンプレミスAD同期)済みのユーザーオブジェクトは、Microsoft 365 側で直接プロパティを編集することが制限されています。そのため、Microsoft 365 の画面表示言語を日本語に変更したい場合、Microsoft 365 側の「言語とタイムゾーン」設定からは変更できません。
この場合は、オンプレミスAD側の属性エディターで対象ユーザーの [preferredLanguage] 属性を [ja-jp] に設定し、ディレクトリ同期を実行することで、Microsoft 365 側に反映させることができます。
【重要】同期ツールの名称・バージョンについて
2023年10月のブランド変更にともない、「Azure AD」は「Microsoft Entra ID」に、「Azure AD Connect」は「Microsoft Entra Connect」に名称が変わっています。機能自体は同じですが、管理画面やドキュメントでは新しい名称で案内されるようになっているため、社内の手順書等が古いままの場合は、あわせて更新をおすすめします。
また、旧バージョンであるAzure AD Connect V1は2022年8月31日にサポートが完全終了しています。まだV1を使用している場合は、現行の Microsoft Entra Connect Sync(V2)へのアップグレードが必要です。
なお、エージェント型のMicrosoft Entra Cloud Syncを利用している場合は、後述する強制同期のコマンド(Start-ADSyncSyncCycle)が使用できません。Cloud Syncは既定で定期的に自動同期されるため、すぐに反映させたい場合はMicrosoft Entra 管理センターのプロビジョニング画面から手動でのプロビジョニング再実行を行ってください。
preferredLanguage属性を設定する手順
- オンプレミスADサーバーにて、[Active Directory ユーザーとコンピューター] を起動します。
- 上部のタブより [表示] を開き、[拡張機能] をクリックして有効化します。
- 該当のユーザーをダブルクリックし、プロパティ画面で [属性エディター] タブを選択します。
- [属性] より [preferredLanguage] を選択し、[編集] ボタンをクリックします。
- [値] に設定したい言語の言語コード(BCP 47形式)を入力し、[OK] ボタンをクリックします。
入力例) 日本語:ja-jp、英語(米国):en-us - 画面が戻るので、[適用] ボタンをクリックし、続けて [OK] ボタンをクリックします。
- Microsoft Entra Connect(旧Azure AD Connect)サーバーにて、定期同期を待つか、以下のPowerShellコマンドで手動の強制同期(デルタ同期)を実行します。
[手動での強制同期コマンド]Start-ADSyncSyncCycle -PolicyType Delta
※Microsoft Entra Connect Syncサーバー上でPowerShellを管理者として起動し、実行してください。全体の整合性を取り直したい場合は -PolicyType Initial を指定したフル同期も可能ですが、通常はデルタ同期で問題ありません。
属性を設定しディレクトリ同期が完了した後、数分待ってから対象ユーザーに再度サインインしてもらい、画面の表示言語設定が変更されているか確認してください。
反映される画面・反映されない画面
[preferredLanguage] 属性の値により、以下の画面の表示言語が変更されることを確認しています。
- Microsoft 365 ポータル画面
- ポータル画面右上のアラートマーク、歯車マーク、[?]マーク、マイアカウント画面
- 各種ランチャー
- 各種管理センター画面
- Viva Engage(旧Yammer)
- Microsoft Purview(旧 Security & Compliance)
- Stream(旧 Video)
- Planner
[preferredLanguage] 属性は、あくまでMicrosoft 365ポータルや各種管理センターなどユーザーインターフェース側の表示言語を制御するものです。Outlook on the webの表示言語や、メールボックスの日付/時刻形式といったExchange Online のメールボックス側の地域設定には自動的に反映されません。
Exchange Online側もあわせて日本語化したい場合は、Exchange Online PowerShellで以下のコマンドレットを個別に実行する必要があります。
Set-MailboxRegionalConfiguration -Identity user1@contoso.com -Language ja-JP -DateFormat "yyyy/MM/dd" -TimeFormat "HH:mm" -TimeZone "Tokyo Standard Time"
よくある質問
Q. preferredLanguage属性を設定したのに、Outlook on the webが英語表記のままです。
A. preferredLanguage属性は主にMicrosoft 365ポータルなどの画面表示言語を制御するものです。メールボックス側(Outlook on the webの表示言語など)を変更するには、別途 Set-MailboxRegionalConfiguration コマンドレットで設定する必要があります。
Q. Microsoft Entra Connectではなく、Microsoft Entra Cloud Syncを使っています。同じ手順でよいですか?
A. オンプレミスAD側でpreferredLanguage属性を設定する手順自体は同じです。ただし、手動での強制同期コマンド(Start-ADSyncSyncCycle)はCloud Syncでは使用できません。Cloud Syncは既定で自動的に定期同期されるため、すぐに反映させたい場合はMicrosoft Entra 管理センターからプロビジョニングを手動で再実行してください。
Q. まだAzure AD Connect(V1)を使っています。今回の手順は使えますか?
A. Azure AD Connect V1は2022年8月31日にサポートが終了しており、予期しない動作停止のリスクがあります。手順自体は概ね同様ですが、この機会に現行の Microsoft Entra Connect Sync(V2)へのアップグレードを強くおすすめします。
まとめ
ディレクトリ同期ユーザーのMicrosoft 365上の表示言語を変更したい場合は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- Microsoft 365側からは直接変更できないため、オンプレミスAD側の [preferredLanguage] 属性を編集する
- 同期ツールは現在「Microsoft Entra Connect」に名称が変わっている(旧Azure AD Connect V1は既にサポート終了)
- 手動で反映させたい場合は
Start-ADSyncSyncCycle -PolicyType Deltaを実行する(Cloud Sync利用時は別方法) - Exchange Online側(メールボックスの表示言語)は別途
Set-MailboxRegionalConfigurationで設定する
「ポータル画面は日本語になったのに、Outlookだけ英語のまま」というケースは、この2つの設定が別物であることを知らないと見落としがちです。あわせて設定しておくことをおすすめします。