メッセージセンターのMC276028にて、テナントでプラスアドレスを使用していた場合、2022年 1 月以降メールアドレスが正しく名前解決できなくなり、メールの配信ができなくなる可能性があるため、メールアドレスに + が付与されているものは、+ が含まれない別のメールアドレスを登録する必要があることが公開されていました。
MC276028 について詳細を下記に記載しますので、ご参考にしていただけますと幸いです。
MC276028 について
Exchange Online では、Plus Addressing の機能によって、ユーザーのメールアドレスにサブアドレスを付与することが可能です。
現在では、テナント単位で有効/無効を切り替えることが可能なオプトアウト機能であり、デフォルトでは無効の状態となります。
しかしながら、2022 年 1 月からこの機能が全てのテナントで有効な状態となります。
有効となった際には、今まで Plus Addressing 機能が無効な状態で利用していたメールアドレスが正しく名前解決できなくなります。
例)
Plus Addressing が [無効] な状態で、adc+def@contoso.com というメールアドレスを使用しているとします。
2022 年 1 月 以降、Plus Addressing が有効になると、adc+def@contoso.com は adc@contoso.com というメールアドレスに置換されて配信されるため、Exchange Online でメールを配信することができなくなります。
MC276028 にて対処が必要な内容
テナント内のメールボックスの情報を確認し、メールアドレスに + が付与されているものは、+ が含まれない別のメールアドレスを登録します。
※ Exchange Online の Email Address で使用可能な文字列は、基本的に 文字および数字、アンダースコア、ダッシュ、ピリオド です。
しかしながら、ホスティングされたメールボックスやオンプレミスのメールボックスからの移行に伴い、組織内に + を含むメールアドレスが存在している場合があります。
そのため 、テナントでプラスアドレスを使用していた場合、2022 年 1 月以降メールアドレスが正しく名前解決できなくなり、メールの配信ができなくなる可能性があるため、メールアドレスに + が付与されているものは、+ が含まれない別のメールアドレスを登録するすることで回避が可能です。
なお、Get-Mailbox コマンドレットにて EmailAddresses を取得し、別途 Filter パラメータにて "+" を指定することでメールアドレスに "+" の文字列が含まれてるメールアドレスを出力することが可能です。
以下にコマンドレットをご案内いたしますので、ご参考となれば幸いです。
※ExchangeOnlineに接続してから実行してください。
全ユーザーメールボックスの設定状況を確認する
[実行例]
Get-Mailbox -ResultSize Unlimited -RecipientTypeDetails UserMailbox -Filter {EmailAddresses -like "*+*"} | Select DisplayName,UserPrincipalName,EmailAddresses | Export-Csv -Encoding Utf8 -NoTypeInformation -Path "C:\temp\Mailbox.csv"
※保存先を C:\Temp\ に指定し、Mailbox.csv というファイル名で保存しております。ご利用環境に応じて変更してください。
※ [RecipientTypeDetails] の後のメールボックスの属性は変更することで各メールボックスの抽出が可能です。
複数のメールボックスの属性を指定するにはカンマ区切りでにて可能です。
例 Get-Mailbox -RecipientTypeDetails UserMailbox,SharedMailbox
[メールボックスの属性]
ユーザー メールボックス : UserMailbox
共有メールボックス : SharedMailbox
備品メールボックス : EquipmentMailbox
会議室メールボックス : RoomMailbox
<実行結果について>
DisplayName : 表示名
UserPrincipalName : ユーザー名
EmailAddresses : メールボックスに設定されているアドレス (SMTP - プライマリアドレス、smtp - セカンダリアドレス)