SIP アドレスが作成される条件について 、Microsoft Teams のライセンスを付与することで SIP アドレスが付与される動作であることを確認しております。
SIP アドレスを削除した場合は、 Microsoft Teams 管理センターの [Exchange アドレス帳ポリシー (ABP) を使用したTeams 内の範囲ディレクトリ検索] が有効になっている場合に、Microsoft Teams 上で SIP アドレスのないユーザーの検索が行えないことを確認しております。
上記以外で、SIP アドレスの削除や変更が直接影響する事象や事例は現時点では報告されておりませんが、Teams は、ユーザーに SIP アドレスが付与されていることが前提で設計されているため、SIP アドレスを削除すると想定外の動作となる可能性がありますので、基本的には削除をしないことを推奨します。
設定済みの SIP アドレスの確認、変更について
SIP アドレスの有無を確認するには、メールボックスの属性値 : EmailAddresses に SIP アドレスが含まれているか確認する方法となるため、以下の PowerShell コマンドレットにて、既存のメールボックスの EmailAddresses 属性を抽出し、設定状況をご確認ください。
EmailAddresses 属性の確認
※ 事前に PowerShell より Exchange Onlineへ接続する必要があります。
[構文]
Get-Mailbox -ResultSize Unlimited -RecipientTypeDetails Usermailbox |Select Displayname,UserPrincipalName,EmailAddresses | Export-Csv -Encoding UTF8 -NoTypeInformation -Path "ファイルの出力場所\ファイル名.csv"
[実行例]
Get-Mailbox -ResultSize Unlimited -RecipientTypeDetails Usermailbox |Select DisplayName,UserPrincipalName,EmailAddresses | Export-Csv -Encoding UTF8 -NoTypeInformation -Path "C:\Tem\usermailbox.csv"
<出力結果>
DisplayName : 表示名
UserPrincipalName : ユーザーID
EmailAddressed : メールアドレス(SIPがSIPアドレスです)
また、設定済みの SIP アドレスを変更するには、現在設定されている SIP アドレスの削除を行い、新しく SIP アドレスを追加する必要があります。
既存の SIP アドレスの削除を行わず、追加が行われると 2 つ目の SIP アドレスが作成されます。
SIP アドレスの削除
[構文]
Set-Mailbox -Identity <対象のメールアドレス> -EmailAddresses @{Remove="SIP:<削除するアドレス>"}
[実行例]
Set-Mailbox -Identity user01@contoso.com -EmailAddresses @{Remove="SIP:user01-old@contoso.com"}
SIP アドレスの追加
[構文]
Set-Mailbox -Identity <対象のメールアドレス> -EmailAddresses @{Add="SIP:<追加するアドレス>"}
[実行例]
Set-Mailbox -Identity user01@contoso.com -EmailAddresses @{Add="SIP:user01@contoso.com"}
また、以下の様に CSV ファイルを使用することで、複数ユーザーに対し、一括で追加、削除を行うことが可能です。
csv ファイルを用いて一括変更を行う方法
SIPアドレスを削除する
1-1. CSV ファイルを作成します。
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[CSV ファイル作成例]
Name,EmailAddresses
※ 1 行目は固定で、2 行目以降に対象のメールボックス情報を記載します。
※ CSV ファイルを保存する際には、文字化けを防止するために UTF-8 形式で保存します。
<UTF-8 での保存例>
- 作成したファイルをメモ帳で開きます。
- [ファイル] - [名前を付けて保存]の順にクリックします。
- [ファイル名]を任意の名前で入力し、拡張子を [.CSV] に変更します。
- [文字コード]で [UTF-8] を選択します。
- [保存]をクリックします。
1-2. 記コマンドレットにて一括削除します。
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[実行例]
Import-CSV "C:\Temp\AddressList-1.csv" | Foreach {Set-Mailbox -Identity $_.Name -EmailAddresses @{Remove="SIP:$($_.EmailAddresses)"}}
SIPアドレスを追加する
2-1. CSV ファイルを作成します。
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[CSV ファイル作成例]
Name,EmailAddresses
※ 1 行目は固定で、2 行目以降に対象のメールボックス情報を記載します。
※ CSV ファイルを保存する際には、文字化けを防止するために UTF-8 形式で保存します。
<UTF-8 での保存例>
- 作成したファイルをメモ帳で開きます。
- [ファイル] - [名前を付けて保存]の順にクリックします。
- [ファイル名]を任意の名前で入力し、拡張子を [.CSV] に変更します。
- [文字コード]で [UTF-8] を選択します。
- [保存]をクリックします。
2-2. 下記コマンドレットにてを一括登録します。
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[実行例]
Import-CSV "C:\Temp\AddressList-2.csv" | Foreach {Set-Mailbox -Identity $_.Name -EmailAddresses @{Add="SIP:$($_.EmailAddresses)"}}