
家族や身内とのトラブルは、自分たちだけでは解決できないことも少なくありません。そんなときに利用できるのが「家庭裁判所への申し立て」です。
家庭裁判所では、いきなり裁判をするのではなく、まず「調停」という話し合いの場を通じて問題解決を目指します。この記事では、初めて申し立てをする方でもわかりやすいよう、手順や費用の目安を詳しく解説します。
- 家庭裁判所に申し立てるとは?
- 申立てできる人と必要な書類
- 家庭裁判所への申し立ての手順
- 家庭裁判所の申し立て費用の目安
- 弁護士なしでも申し立ては可能
- 注意点とポイント
- 法テラスを利用できる条件
- まとめ
家庭裁判所に申し立てるとは?
家庭裁判所は、夫婦や親子、相続など「家庭に関するトラブル」を扱う裁判所です。主に次のようなケースで申し立てが行われます。
- 離婚や親権に関するトラブル
- 面会交流(子どもと会う権利)
- 相続・遺産分割に関する争い
- 成年後見制度の申立て
- 遺骨の引き渡しなどの調停
家庭裁判所では、まず調停を行い、話し合いでの解決を目指します。それでも解決しない場合は、審判・裁判に進むことになります。
申立てできる人と必要な書類
申立てできる人
必要な主な書類
- 申立書(裁判所のHPまたは窓口で入手可能)
- 戸籍謄本や住民票(事件の種類による)
- 添付資料(遺言書・証拠・収入証明など)
申立書は自分で記入することができ、裁判所の公式サイトには書き方の見本も掲載されています。
家庭裁判所への申し立ての手順
- 裁判所を確認する
相手方の住所地を管轄する家庭裁判所を調べます。 - 申立書を準備
事件の種類に応じた申立書を記入し、必要書類を添付します。 - 手数料(収入印紙)と郵便切手を準備
申立内容によって金額が異なります。 - 家庭裁判所に提出
郵送または窓口に持参して提出します。 - 調停期日の通知
裁判所から日程の案内が届き、当日出席して話し合いを行います。
家庭裁判所の申し立て費用の目安
申立てにかかる主な費用は以下の通りです。
| 申立内容 | 収入印紙代 | 郵便切手代(目安) | 備考 |
|---|---|---|---|
| 離婚調停 | 1,200円 | 800〜1,500円 | 裁判所によって異なる |
| 面会交流・親権変更 | 1,200円 | 800〜1,500円 | |
| 遺産分割調停 | 1,200円 | 2,000円前後 | 相続人が多いと多めになる |
| 成年後見申立 | 800円 | 1,000〜2,000円 | 医師の診断書費用が別途必要 |
| 審判・裁判に移行した場合 | 別途費用 | 追加郵便切手代 | 弁護士費用がかかる場合もあり |
弁護士に依頼する場合は、別途着手金として10万円〜30万円程度かかることもあります。
弁護士なしでも申し立ては可能
家庭裁判所の調停は、弁護士がいなくても本人だけで申し立て可能です。裁判所の職員が手続き方法を丁寧に教えてくれるため、シンプルな案件であれば個人でも対応できます。
ただし、相手が弁護士をつけている場合や、複雑な相続などの場合は、専門家への依頼も検討すると安心です。
注意点とポイント
- 申立てから期日まで数週間〜1か月ほどかかる
- 調停は1回で終わらず、複数回行われることもある
- 調停がまとまらなければ、審判・裁判になる可能性もある
- 裁判所に相談窓口や法律扶助制度(法テラス)もある
経済的に余裕がない場合は、「法テラス」の無料相談や費用の立替制度を利用することで、弁護士費用の負担を軽減できます。
法テラスを利用できる条件
法テラスの無料法律相談や、弁護士・司法書士費用の立替制度を利用するには、主に次の3つの条件があります。
- 収入および資産が一定基準以下であること(資力基準を満たすこと)
- 勝訴の見込みがないとは言えないこと(代理援助等を受ける場合)
- 民事・家事・行政などの法的トラブルであること、かつ、法的扶助制度の趣旨に反しないこと
たとえば、無料相談制度のみを使う場合と、実際に弁護士費用を立て替えてもらう「立替制度(代理援助・書類作成援助など)」の場合では、要件の厳しさが多少異なります。
以下は、法テラスの制度を利用できる「目安」とされている収入基準と資産基準です
| 家族人数 | 収入基準(月額・手取りベース) | 資産基準(現金・預貯金など) |
|---|---|---|
| 1人 | 約 182,000円以下(通常地域基準) | 約 180万円以下 |
| 2人 | 約 251,000円以下 | 約 250万円以下 |
| 3人 | 約 272,000円以下 | 約 270万円以下 |
| 4人 | 約 299,000円以下 | 約 300万円以下 |
まとめ
家族間のトラブルは感情的になりやすく、話し合いだけでは解決が難しいケースもあります。そんなときこそ、第三者(裁判所)を通した調停が有効です。早めの申立てが、トラブルを長期化させないポイントになります。