SharePoint Online におきましてテナント間でデータを移行するツールとして、 "Mover" があります。
Microsoft は、管理者主導型のサービスやセルフサービスのサービスを含むクラウド ファイル移行の大手プロバイダーである Mover を買収しました。 クラウドへのコンテンツの移動に対する顧客の需要が継続的に高まるにつれて、Mover は、Microsoft 365 へのファイルの移動を、顧客にとってこれまで以上に容易なものにしてくれます。
Mover では、Box、Dropbox、Egnyte、Google Drive を含む、十数社以上のクラウド サービス プロバイダーから OneDrive および SharePoint への移行をサポートして、Office アプリおよび Microsoft Teams を含む、Microsoft 365 アプリおよびサービス間でのシームレスなファイルの共同作業を可能にします。
なお、"Mover" のサポートは下記専任窓口があります。
また、SharePoint の機能にて、クラシックサイトの場合、サイト コレクションのテンプレートの作成にて、別テナントのサイトに移行が可能です。
しかしながら、モダンサイトにつきましては、現在、テンプレートの作成がサポートされていないことを確認しており、動作保証外でございますが、カスタムスクリプトを有効にすることでテンプレートの作成が可能です。
また、"カスタムスクリプトを有効" にするためには、"SharePoint Server 発行インフラストラクチャ" 機能が一度でもアクティブ化したことがない非アクティブ化の状態である条件が満たせる場合には、サイト テンプレートの作成、復元が可能であることを確認しております。
なお、コミュニケーション サイトなどのモダン表示のサイトでは、既定でカスタム スクリプト機能が無効化されており、テンプレートの作成がサポートされておりませんが、カスタム スクリプト機能を PowerShell コマンドレットにて有効化することで動作することを確認してます。
また、リストについては、Excel 形式でエクスポートする方法、ドキュメントライブラリは、エクスプローラーを利用した方法で可能であることを確認しております。
1. サイトのテンプレートに関してご留意いただきたい点
1) [サイトの機能] にて "SharePoint Server 発行機能" が一度でも有効化されたことのあるサイトについてはテンプレート化することはできません。
この場合、[サイトの設定] 内の [テンプレートとしてサイトを保存] は表示されません。
2) トップ レベルのサイトとサブサイトでは内部的な構造が一部異なっております。
そのためトップ レベルのサイトをもとに作成したサイト テンプレートはトップ レベルのサイトに、サブサイトをもとに作成したサイト テンプレートはサブサイトとしてご使用くださいますようお願いいたします。
※ トップレベルサイトの設定より [テンプレートとしてサイトを保存] を実施した場合、当該トップレベルサイトがテンプレートとして保存される動作となり、紐づくサブサイトにつきましては、テンプレート化されない動作であることを確認しております。
そのため、サブサイトについてもテンプレート化を実施する場合は、該当サブサイトの設定より同様に [テンプレートとしてサイトを保存] を実行する必要がございます。
3) サイト テンプレートにはユーザーの権限設定は引き継がれません。
4) 元のサイトの設定やカスタマイズ状況によりテンプレートとしての保存ができない場合や、保存したテンプレートを新たなサイト作成時に適用できない場合もございます。
5) サイトテンプレートは、クラシックサイトのみがサポートされ、モダンサイトのテンプレートは現在のところサポートしておりません。
※ 動作保証はしませんが、カスタム スクリプトを有効とすることでテンプレート化は可能です。
6) サイトテンプレートのサイズの上限は、50 MB でございます。
※ サイズの上限 (50 MB) について確認をする際には、[サイトの設定] 内の [記憶域メトリックス] をご参考にしていただくのが良いかと存じます。
サポート対象
リスト、ライブラリ、外部リスト、データ ソース接続、リスト ビューおよびデータ ビュー、カスタム フォーム、ワークフロー、
コンテンツ タイプ、カスタム アクション、ナビゲーション、サイト ページ、マスター ページ、モジュール、および Web テンプレート。
サポート対象外
カスタマイズされたアクセス許可、実行中のワークフロー インスタンス、リスト アイテム バージョン履歴、
実行中のワークフローに関連付けられているワークフロー タスク、ユーザーまたはグループ フィールド値、分類フィールド値、
発行ページおよび発行サイト、個人用サイト、ホチキス止め機能、SharePoint アドイン、リモート イベント レシーバー。
2. サイト テンプレートを作成する (クラシック UI の手順)
- 管理者アカウントにて Office 365 にサインインし、テンプレート化するサイトにアクセスします。
- ページ右上の [歯車アイコン] - [サイトの設定] を順にクリックします。
- "サイトの操作" セクションの [テンプレートとしてサイトを保存] をクリックします。
- [ファイル名] [テンプレート名] を任意でご入力いただき、コンテンツを含めてテンプレートを作成する場合は [コンテンツを含む] にチェックを入れます。(コンテンツを含む場合、容量制限の 50 MB を超えるとテンプレート化できませんので、その場合にはチェックを外します)
- [OK] をクリックします。
- "サイト操作は正常に完了しました" というメッセージが表示されますので、メッセージにある "ソリューション ギャラリー" のリンクをクリックします。
- 手順 4. で作成したテンプレート名をクリックすると、"<お客様のテナント名>.sharepoint.com から <テンプレート名>.wsp を保存しますか?" というメッセージが表示されますので、クライアント PC 上の任意の場所にダウンロードして保存します。
3. サイト テンプレートを作成する (モダン UI の手順)
※モダンUIの場合、カスタムスクリプトを有効にしていない場合は、以下のコマンドレットで有効にしてから実行します。
<1. SharePoint 管理センターへ接続する >
- SharePoint Online Management Shell を起動します。
- 以下のコマンドレットを実行し、[Enter] キーを押下します。
構文 : Connect-SPOService -Url https://<テナント名>-admin.sharepoint.com
例 : テナント名が "contoso" の場合は以下になります。
Connect-SPOService -Url https://contoso-admin.sharepoint.com
- "アカウントにサインイン" のダイアログが表示されますので、管理者権限アカウントにてサインインします。
□ 2. カスタム スクリプトの設定を確認する
[構文]
Get-SPOSite -Identity <サイト URL> | Select DenyAddAndCustomizePages
※ サイト URL が "https://contoso.sharepoint.com/sites/test" の場合の構文は以下です。
[実行例]
Get-SPOSite -Identity https://contoso.sharepoint.com/sites/test | Select DenyAddAndCustomizePages
結果、"Enabled" の場合 "無効"、"Disabled" の場合、"有効" と判断できます。
また、カスタム スクリプト機能が無効になっているため場合、次のコマンドで有効化が可能です。
□ 3. カスタム スクリプトの設定を変更する
[構文]
Set-SPOSite -Identity <サイト URL> -DenyAddAndCustomizePages $false
[実行例]
Set-SPOSite -Identity https://contoso.sharepoint.com/sites/test -DenyAddAndCustomizePages $false
※ false が有効、true が無効です。
上記の操作により、モダン サイトの "カスタム スクリプト" の機能が有効化されます。
4. モダン サイトをサイト テンプレートとして保存する手順
- "カスタム スクリプト" の機能を有効にしたモダン サイトへアクセスします。
- 右上の [歯車] アイコンをクリックし [サイト情報] をクリックします。
- [すべてのサイト設定を表示] をクリックします。
- 画面遷移後、以下のように URL の "settings" の部分を改変いたします。
改変前)
https://<テナント名>.sharepoint.com/sites/<サイト名>/_layouts/15/settings.aspx
改変後)
https://<テナント名>.sharepoint.com/sites/<サイト名>/_layouts/15/savetmpl.aspx
- [ファイル名] [テンプレート名] [テンプレートの説明] 欄を任意で入力し、必要に応じて [コンテンツを含む] にチェックをいれます。
(コンテンツを含む場合、容量制限の 50 MB を超えるとテンプレート化できませんので、その場合にはチェックを外します)
- [OK] をクリックします。
- "<サイト名> 操作は正常に完了しました" と画面に表示されたら、[ソリューション ギャラリー] をクリックします。
- 作成されたテンプレートの [テンプレート名] をクリックし、クライアント PC に保存します。
以上の操作により、モダン サイトをサイト テンプレートとして保存することが可能です。
5. サイトテンプレートより復元する手順
- 管理者アカウントにて Office 365 にサインインし、上部リボンにある [管理者] - [SharePoint] を選択します。
- SharePoint 管理センターで [アクティブなサイト] > [作成] > [その他のオプション] をクリックします。
- その他のオプション画面、[テンプレートの選択] プルダウンメニューより [その他のテンプレート] を選択します。
- "サイト コレクションの作成" 画面が表示されますので、タイトル、Web サイトのアドレス、管理者、記憶域のクォータなどを任意で入力します。
- [テンプレートの選択] で [ユーザー設定] タブをクリックし、<テンプレートを後で選択…> を選択した後、[OK] をクリックします。
- しばらくすると新しいサイト コレクションが作成されますので、新規に作成されたサイト コレクションの URL をクリックします。
- サイト コレクションのプロパティ」ダイアログ ボックスが表示されますので Web サイトのアドレス <https://テナント名.sharepoint.com/sites/サイト名> をクリックします。
- "テンプレートの選択" 画面が表示されますので、[ソリューション ギャラリー] をクリックします。
- [ソリューションのアップロード] をクリックした後、[ファイルを選択] をクリックします。
- クライアント PC 上に保存していたトップ レベル サイトのテンプレートを選択した後、[開く] をクリックし、[OK] を選択します。
- [アクティブ化] をクリックします。
- ウィンドウ左上部の [参照] をクリックし、参照ボタンのすぐ下の "S 字ロゴ" をクリックしますと、"テンプレートの選択" 画面に戻ります。[ユーザー設定] タブをクリックし、アップロードしたテンプレートが選択されていることを確認します。
※ [ユーザー設定] タブの表示に、少し時間がかかる場合がございます。表示が遅い場合は、ページ再読み込み (キーボード F5 キー) を行ってください。
- [OK] をクリックします。
14.「ユーザーとグループ: このサイトのグループのセットアップ」のウィンドウに遷移しますので既存のサイト コレクションと同様にユーザーおよびグループの設定を行い [OK] をクリックします。
上記の設定により、テンプレートをもとに複製した新しいサイト コレクションが表示されます。
6. カスタム リストのデータを移行する手順
リストの場合は、[Excel にエクスポート] 機能を利用し、カスタム リスト上のデータをエクスポートし、そのデータをもとに、新たなカスタム リストを作成する事が可能です。
なお、Internet Explorer でのみ実施が可能でございます。
複製元のサイトにてカスタム リストのデータを Excel にエクスポートします。
1.管理者アカウントにて Office 365 ポータルにサインインします。
※ 必ず "サインインの状態を維持しますか?" 画面では、[はい] をクリックします。
- エクスポート対象のカスタム リストにアクセスし、リボン メニューの [リスト] タブをクリックします。
※ モダン UI の場合は、画面上部に [Excel にエクスポート] が表示されておりますので、クリックします。
- "接続とエクスポート" セクションの [Excel にエクスポート] をクリックします。
- クライアント PC 上の任意の場所へダウンロードします。
以上の手順で Excel ブックとしてリストが保存されます。
複製先のサイト コレクションにてスプレッドシートのインポートを行います。
- サイト管理者にて データをエクスポートしたいサイトへアクセスします。
- 画面右上の歯車マークから [アプリの追加] をクリックします。
- 画面下部の三角マークで 2 ページ目を表示し、[スプレッドシートのインポート] をクリックします。
- 任意の名前・説明を入力し、"スプレッドシートからインポート" 項目 "ファイルの場所:" - [参照] ボタンをクリックします。
- エクスポートした Excel ファイルを選択します。
- [インポート] をクリックします。
- 対象の Excel ファイルが開かれますので、同時に表示されるダイアログ上でインポートする範囲を選択します。
※ テーブルが設定されている、もしくは名前がついているセルがシートの中に存在する場合は、"テーブル範囲" "名前の範囲" で選択しインポートをすることが可能ですが、テーブルや名前付のセルが設定されていない場合は、"セル範囲" でインポート範囲を指定します。
- 範囲を指定したら [インポート] をクリックします。
- 選択した範囲がカスタム リスト上に展開表示されます。
7. "エクスプローラーで表示" 機能を利用してドキュメントライブラリのアイテムを移行する方法
ドキュメントライブラリのアイテムにつきましては、エクスプローラーで表示機能を使用して、ファイルを移動していただくことが可能です。
移行元サイトのドキュメントライブラリをエクスプローラーで開いていただき、ブラウザで移行先のサイトのドキュメントライブラリを開き、ドラッグアンドドロップで移動することで可能でございます。
なお、ドラッグアンドドロップで移動する場合、以下の制限がございますので、1 回の操作で制限を超える場合は、範囲内で複数回で実施ください。
・ 一度にアップロード可能なファイル数 : 最大 100 アイテムまで可能です。
・ アップロード可能なファイル サイズ : 1 ファイルあたり最大 15 GB です。
また、"エクスプローラーで表示" 機能をご利用いただくには Active X コントロールを必要とするため、Internet Explorer を利用する必要があります。
また、以下の手順にて、SharePoint Online のサイトが信頼済みサイトに登録されているか一度ご確認ください。
7-1. 信頼済みサイトの登録
1) Internet Explorer を起動します。
2) [ツール] をクリックし、[インターネット オプション] をクリックします。
3) [セキュリティ] タブをクリックし、[信頼済みサイト] を選択し [サイト] をクリックします。
4) 以下の URL が登録されているかを確認します。登録がない場合は、URL を追加します。
https://*.sharepointonline.com
5) 信頼済みサイトの画面を閉じます。
6) インターネット オプションの画面で [OK] をクリックします。
7) Internet Explorer を再起動します。
7-2. [WebClient] のサービスを自動開始に設定する
1) [Windows] キーを押しながら [R] キーを押し、[ファイル名を指定して実行] の画面を開きます。
2) [名前:] 欄に [services.msc] を入力し、[Enter] キーを押下します。
3) サービスの一覧から、[WebClient] を探してダブル クリックします。
4) [全般] タブの中で、[スタートアップの種類] を [自動] に設定し、[サービスの状態] にて [開始] をクリックします。
5) ウィンドウ右下の [適用] をクリックしてから、[OK] をクリックします。
6) ローカル PC を再起動します。
※ 既に [自動] になっている場合であっても正常に動作していない可能性もございますので、一度 [停止] をし [開始] をしていただくようお願いいたします。
7-3. [エクスプローラーで開く] の操作方法
1) Internet Explorer を開き、[サインインしたままにする] にチェックを入れた状態で、管理者権限アカウントにて Office 365 ポータル (https://portal.office.com) にサインインします。
2) 移動元サイトのドキュメント ライブラリにアクセスします。
3) 画面右上の 三本線のマーク (表示オプションの切り替え) をクリックし、[エクスプローラーで表示] をクリックします。
※ポップアップがブロックされた場合は、許可するように進めます。
4) Internet Explorer セキュリティの画面が表示された場合は、[許可する] をクリックします。
5) 端末のエクスプローラー画面が起動し、該当のライブラリが表示されます。
6) 別ブラウザから移行先サイトのドキュメントライブラリにアクセスします。
7) 移動したいファイルやフォルダをエクスプローラー画面からブラウザにドラッグ アンド ドロップします。
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