今回はスパム判定を回避してメールを受信トレイに受信する方法について解説します。
よろしくお願いいたします
Exchange Online では、外部から受信したメールは [スパムフィルター] によってスパム判定され、メールの内容や送信元などの情報を総合的に評価した結果として SCL (Spam Confidence Level) という値をメールに付与します。
付与された SCL の値が [5]、[6] の場合は、[スパム フィルター] の [スパム] のアクションが動作し、[9] の場合は [制度の高いスパム] のアクションが動作します。
SCLに対するアクションについては、以下のとおりです。
[0,1,2,3,4] : 通常のメールと同様にスパムフィルターのフィルタリングがおこなわれます。
[5,6] : [スパムフィルター] の [スパム] で指定したアクションを適用することができます。
[7,8,9] : [スパムフィルター] の [信頼度の高いスパム] で指定したアクションを適用することができます。
しかしながら、[トランスポートルール] にて [スパムフィルター] をバイパスする設定をおこなっている場合、指定した送信元から配信されたメールの SCL の値を -1 とし、スパム判定を回避し、受信トレイに受信することが可能です。
なお、本設定は Office 365 内のテナントの全ユーザーに適用されます。
特定のドメインから送信されたメールについて、スパム判定を回避するルールの設定手順を以下にご紹介します。
トランスポートルールにてスパムフィルターを回避してメールを受信するルールの作成手順
1. Exchange 管理センター (https://admin.exchange.microsoft.com/) へ管理者アカウントにてサインインします。
2. 画面左側のメニューより [メールフロー] > [ルール] の順にクリックします。
3. [+ ルールの追加] をクリックし、プルダウンメニューより、[新しいルールの作成] をクリックします。
4. [セット ルールの条件] 画面にて、[名前*] に任意のルール名を入力します。
5. [このルールを適用する*] プルダウンメニューより [送信者] > [ドメインは] をクリックします。
6. [ドメインの指定] 画面にて、スパムフィルターをバイパスする送信者のドメイン名を登録します。
※ 複数のドメインの追加が可能です。また、ルール作成保存後も返信にて、削除や追加が可能です。
7. [次を実行します] プルダウンメニューより、[メッセージのプロパティの変更] > [スパム信頼度レベルの設定] を選択して、[Bypass spam filtering] を設定します。
8. [セット ルールの設定] 画面にて、設定項目を任意で指定し [次へ] をクリックします
9. [確認と完了] 画面にて設定内容を確認し、[完了] をクリックします。
10. 作成したルールをクリックし、[ルールを有効または無効にする] のチェックボックスを [有効] にします。 [状態] が [Enable] になっていればルールが動作している状態となります。
なお、注意点として、OutlookやOutlook on the webの受信拒否リストに該当の送信者アドレスやドメインが登録されている場合は、ルールを作成した場合でも、迷惑メールと判定されてしまいます。
以下の手順で念のため、確認しておいてください。
Outlook on the webにて [受信拒否リスト] の設定を確認する方法
- Outlook on the web にログインします。
- 右上の歯車マークをクリックし、[Outlook のすべての設定を表示] をクリックします。
- [迷惑メール] をクリックします。
- [受信拒否送信者とドメイン] 欄に該当の送信者のメールアドレス、またはドメインが登録されているかを確認します。登録されている場合は該当のアドレスの右側の [ゴミ箱 (削除)] をクリックし、[保存] をクリックしてください。
Outlook クライアントにて [受信拒否リスト] の設定を確認する方法
- Outlook クライアントを開きます。
- 画面上部の [迷惑メール] をクリックし、[迷惑メールのオプション] をクリックします。
- [受信拒否リスト] 欄に該当の送信者のメールアドレス、またはドメインが登録されているかを確認します。登録されている場合は該当のアドレスをクリックし [削除] をクリックし、[OK] をクリックしてください。