サードパーティ製のツールであるMigrationWizを使用してメールボックスなどのデータ移行をおこなうシナリオがあります。
MigrationWizは、他クラウドサービスやオンプレミスサーバーなどからOffice365へデータを移行する場合に利用します。
※Office365テナント間のデータ移行でも利用できます。
大量のデータを移行する場合、EWSスロットリングポリシーに抵触してしまう可能性が懸念されます。
その場合、以下の値を拡張することでEWSスロットリングポリシーに抵触することを回避することができます。
EwsMaxBurst
増加したリソースを EWS ユーザーが消費できる時間の長さを定義し、これを超えたら調整を行うようにします。
これは、ミリ秒単位で測定されます。
EwsRechargeRate
予算時間中に EWS ユーザーの予算を回復する速度 (予算の増加単位) を定義します。
EwsCutoffBalance
EWS ユーザーのリソース消費制限を定義し、これを超えたら特定のコンポーネントの操作を実行できないよう、ユーザーを完全にブロックするようにします。
なお、EWS のスロットリングポリシーの拡張については、以前はデータセンターに依頼が必要でしたが、現在はテナントより申請を行うことが可能になりました。
そのため、データ移行を実施いただく前に下記の手順により EWS の スロットリングポリシーの拡張を実施ください。
EWS の スロットリングポリシー変更手順
- 管理者アカウント(全体管理者、または Exchange 管理者) にて、Microsoft 365 管理センターを開きます。
- 左ペインのメニューより [サポート] - [新規お問い合わせ] とクリックします。
- 画面右より 「サポートが必要ですか?」メニューが表示されますので、"問題を簡潔に説明して下さい" 欄に以下内容を入力します。
EWS Throttling
- 「診断の実行」項目欄に以下の説明が表示されますので、[テストを実行] をクリックします。
説明文 : Exchange Web サービス (EWS) の調整ポリシーとデータ移行に問題が発生していることを把握しています。
いくつかのテストを実行して、サポートしましょう。
- テストの完了までお待ち下さい。
※ 1 分ほどで完了します。
- テストが完了いたしますと、以下の説明分が表示されます。
説明文 : Exchange Web サービスは調整済みです。
データの移行を計画または実行している場合、一時的に Exchange EWS 調整ポリシーを使用して、移行を完了できるようにします。
- 期間 (日数)欄のプルダウンメニューより、拡張を行う期間(30、60、90 日)を選択します。
- 「私は、[設定の更新] をクリックすると、上記の変更がテナントへと変更されることを承諾します。」のチェックボックスにチェックを入れ、[設定の更新] をクリックします。
- 成功!
Exchange Web サービス (EWS) 調整ポリシーの更新が開始されました。通常は、15 分以内に更新が完了します。と表示が行われれば、拡張完了となります。
なお、Microsoft365 管理センターから EWS スロットリングポリシーの拡張する際に期間を設定する項目が表示されない場合、表示言語を英語にすることで項目が表示され、拡張が実施できた事例を確認してます。
そのため、操作している全体管理者、または、Exchange 管理者の表示言語を英語に変更することで実施可能かご確認ください。
なお、表示言語の変更手順を以下にご案内いたします。
- 全体管理者 (Exchange 管理者) にて Microsoft365 管理センターにアクセスします。
- 右上の歯車マークをクリックし、[言語とタイムゾーン] の [お使いの言語を変更してください] をクリックします。
- [表示言語] をクリックし、[表示言語の変更] をクリックします。
- English (United States) をクリックし [選択] をクリックします。
- [更新] をクリックします。
- [Yes,sign out now] をクリックし、サインアウトします。
- 再度、サインインし、英語表示に変更された状態で操作をお願いします。
※作業が終わったら、日本語に戻してください。