エラー
Error executing request. An Azure Active Directory call was made to keep object in sync between Azure Active Directory and Exchange Online. However, it failed. Detailed error message: Unable to update the specified properties for on-premises mastered Directory Sync objects or objects currently undergoing migration. DualWrite (Graph) RequestId: f3c*****-6d6e-4******-c96******** The issue may be transient and please retry a couple of minutes later. If issue persists, please see exception members for more information.
今回は、Exchange管理センターでアドレスを変更しようとした際に、上述したエラーが発生した事例についてご紹介したいと思います。
このエラーは、該当メールボックスがオンプレミス AD 環境と同期しているユーザーと紐づいている状況によるものと考えられます。
オンプレミス AD 環境と同期している場合、Exchange Online 側からメールアドレスを変更することができませんので、オンプレミス AD 側での作業が必要となります。
オンプレミス AD 同期環境では、Microsoft 365 上での同期済みオブジェクトの管理、編集が制限される動作となります。
そのため、Microsoft 365 上の同期済みユーザーアカウント (該当メールボックス) のメールアドレスを変更する場合には、紐づくオンプレミス AD 上のユーザーのメールアドレスを変更の上、ディレクトリ同期を実行することで、Microsoft 365 上の該当ユーザーアカウント (該当メールボックス) に反映されます。
なお、同期済みユーザーのメールアドレスを変更する場合には、紐づく AD ユーザーの [mail] または [proxyAddresses] 属性を編集して、ディレクトリ同期を実行することで、Microsoft 365 側に反映される動作です。
セカンダリメールアドレスも設定する場合は、[proxyAddresses] 属性を編集し、同期にて反映することで可能です。
以下に、属性エディタ上からの [proxyAddresses] 属性の編集手順例を記載いたしますのでご参考としていただけますと幸いです。
オンプレミス AD 側の [proxyAdresses] 属性を変更する手順
- ADサーバーにて、[Active Directoryユーザーとコンピューター] を起動
- 上部のタブより[表示] を開き、 [拡張機能] をクリックし有効化
- 対象のアカウントをダブルクリックし、[属性エディター]タブを選択
- [属性]より、[proxyAdresses]を選択し、値を入力
プライマリ SMTP アドレス (大文字 SMTP にて設定します)
セカンダリ SMTP アドレス (小文字 SMTP にて設定します)
※ プライマリ SMTP アドレスの SMTP は大文字で入力し、セカンダリ SMTP アドレスは、smtp を小文字で入力します。
※ [proxyAdresses] 属性は複数のセカンダリメールアドレスを登録することが可能す。
- [適用(A)] - [OK]ボタンをクリック
上記設定後、ディレクトリ同期を実行することで、設定したメールアドレスが Microsoft 365 側に反映されるかどうかご確認ください。
留意点
[proxyAddresses] および [mail] 属性の両方に値が設定されている場合は、[proxyAddresses] 属性の設定が優先して Microsoft 365 に反映される動作となります。
なお、メールアドレスの変更については、ディレクトリ同期 AD から Azure AD に同期された情報が、Azure AD から Exchange Online へ反映されるまでに最大 24 時間かかる場合があります。