Exchange Online のメールボックスをOutlookやOutlook on the web (WebのOutlook)で利用しており、送信や受信ができない場合、まずは、送信元に返される配信不能通知(NDR)のエラー内容から判断します。
配信不能通知とは、送信者に返されるエラーが記載されたメールです。
送信者にNDRが返されない場合や送信者にエラーが返されているか確認ができない場合、管理者にて、メッセージ追跡の機能を使えば、ログからエラー内容であったり、正常にメールが配信されているか確認することができます。
また、メールを送信、受信したはずなのに、ログにメールの記録がない場合があります。
その場合、受信のシナリオだと、Exchange Onlineにメールに到達していないことを示しております。
要するに、Exchange Onlineに接続ができてない状態なので、Exchange Onlineに起因した問題よりも、送信側やExchange Onlineに到達するまでの間に問題が発生した可能性が高いです。
Exchange Onlineのフィルタリングで、ブロックリストとIPスロットリングの機能がありますが、その機能によりブロックされた場合は、メッセージ追跡のログにも記録されないのでご注意を!
送信のシナリオでは、Outlook on the webでは、Exchange Onlineから直接送信しているイメージなので、ほとんどログが記録されないということはありませんが、Outlookの場合は、クライアントからExchange Onlineに接続をして送信をしていますので、うまくExchange Onlineに接続できなかった場合などはログが記録されません。
だいたい、Outlook側の問題で片付くことが多いです。
ちなみに、画面上で確認できるのは、10日前までです。(要約レポート)
11日前から90日前までの情報は、増補要約レポートや包括的レポートでCSVファイルに出力する必要があります。
メッセージ追跡のログは、最大で90日前まで取得可能です。
増補要約レポートは、要約レポートに近い感じで簡易的な情報を取得でき、包括的レポートは細かいトラブルシューティングをするための詳細なレポートです。
配信状態については、状態という欄に記録されているステータスから確認することができます。
以下に紹介していきたいと思います。
状態について
- Delivered:メッセージが配信に成功したことを示します。
- Failed:メッセージの配信が失敗したことを示します。
- Pending : メッセージが保留中の状態を示します。
- Expanded:配布グループへ配信され展開したことを示します。
- Quarantined:検疫に配信されたことを示します。
- Resolved:転送元にて転送されたことを示します。
- FilteredAsSpam : 迷惑メールフォルダに受信したことを示します。
手順は以下のとおりです。
例として要約レポートの内容です。
[メッセージの追跡] の手順 (要約レポート)
- 管理者権限をもつユーザーにて、Microsoft 365 ポータルサイトにサインインします。
- 画面左側の [管理センター] の項目から [Exchange] をクリックし、Exchange管理センターを開きます。
- 画面左側のメニューから [メールフロー] > [メッセージ追跡] をクリックします。
- 上部の [+追跡の開始] をクリックします。
- [時間の範囲] 項目を対象のメールを送受信した日時を含むようにあわせます。(10日以内で指定してください)
- ご希望の検索条件を指定します。
※[メッセージID] [送信元が次のユーザー] [送信先が次のユーザー] など指定することができます。
- [レポートの種類を選択してください] の項目は、[要約レポート] を選択します。
- [検索] をクリックします。
- 新しいウインドウが立ち上がり、検索結果が表示されます。
※ クリックすると詳細な情報が表示されます。
※ CSV ファイルにエクスポートする場合は、[結果のエクスポート] > [すべての結果のエクスポート] をクリックします。
以上、メッセージ追跡のご紹介でした。
送信や受信ができない場合にログからトラブルシューティングをしてみましょう!