
この記事でわかること
- 添付ファイルが「winmail.dat」に置き換わる/消失する原因
- TNEF形式とは何か
- 【最新版】Exchange管理センターでTNEF形式を無効化する手順
- TNEF形式を無効化した場合に制限される機能
Exchange Online から添付ファイルを付けてメールを送信したとき、相手先で添付ファイルが[winmail.dat] というファイルに置き換わってしまったり、添付ファイルそのものが消えてしまったりする事象があります。
原因として考えられるのは、Exchange Online からTNEF形式で送信されたメッセージが、受信側の環境でうまく処理できず、添付ファイルが [Winmail.dat] というファイルに置き換わってしまうケースです。
- この記事でわかること
- TNEF形式とは
- winmail.datが発生する仕組み
- Exchange管理センターでTNEF形式を無効にする手順
- TNEF形式が無効化された場合に制限される機能
- よくある質問
- まとめ
TNEF形式とは
TNEFとは、Transport Neutral Encapsulation Format(トランスポート ニュートラル カプセル化形式)の略称で、メールの送受信に使われるプロトコルに依存せず、Outlookクライアントの処理に必要な情報をカプセル化して送信するための形式です。
ざっくり言うと、TNEF形式はリッチテキスト形式とほぼ同じものと考えて差し支えありません。実は、既定の動作では、Outlookクライアントや Outlook on the web でテキスト形式やHTML形式を指定して送信した場合であっても、Exchange Online側でTNEF形式に変換されて送信されています。
winmail.datが発生する仕組み
Outlookは通常のメール機能に加えて、予定表やアンケートの回答集計といった、さまざまな拡張機能のデータをやり取りできる総合メールクライアントです。
そのため、メール本文や添付ファイルだけでなく、こうした拡張機能のデータもすべて[Winmail.dat]という1つのファイルにカプセル化(TNEF)され、そのファイル名で添付される仕組みになっています。
受信側がOutlookクライアントを使用している場合は、この [Winmail.dat] を自動的にデコードして、Outlook固有のさまざまな機能やプロパティを正しく再現できます。
しかし、TNEFを認識できないメールサーバーやメールクライアント(Gmail、他社製メールソフトなど)で受信すると、添付ファイルが消えてしまったり、[Winmail.dat] というファイルとしてそのまま届いてしまったりすることがあります。
Exchange管理センターでTNEF形式を無効にする手順
この事象の回避方法として、Exchange管理センターにてリモートドメインのリッチテキスト形式(TNEF)を無効化する方法があります。この設定を行うと、該当の宛先へのメールはHTML形式またはテキスト形式で配信されるようになります。
※リモートドメインの設定は組織外にのみ適用されます。同じMicrosoft 365テナント内のユーザーへ送信したメールは、引き続きTNEF形式で送信されます。
すべての組織外へのメッセージに対しTNEF形式を無効にする場合
- 管理者アカウントで Exchange 管理センター(https://admin.exchange.microsoft.com)にアクセスします。
- 左メニューより [メール フロー] > [リモート ドメイン] をクリックします。
- 一覧から [Default] をクリックします。
- [リッチテキスト形式を使用する] にて [許可しない] を選択します。
- [保存] をクリックします。
※設定の反映まで1日程度時間がかかる場合があります。
特定の組織外ドメインへのメッセージに対しTNEF形式を無効にする場合
- 管理者アカウントで Exchange 管理センター(https://admin.exchange.microsoft.com)にアクセスします。
- 左メニューより [メール フロー] > [リモート ドメイン] をクリックします。
- [+(追加)] をクリックします。
- [名前] にリモートドメインの名前を任意に入力します。
- [リモート ドメイン] に該当のドメインを入力します。
- [リッチテキスト形式を使用する] にて [許可しない] を選択します。
- [保存] をクリックします。
※こちらも設定の反映まで1日程度時間がかかる場合があります。
TNEF形式が無効化された場合に制限される機能
TNEF形式を無効化すると、以下のようなOutlook固有の機能が制限されます。ただし、いずれも主に社内利用が中心の機能のため、組織外への送信に限って無効化した場合の実務上の影響は小さいケースがほとんどです。
| 制限される機能 | 内容 |
|---|---|
| カスタムフォーム | 使用不可。フォームに埋め込んだプロパティやスクリプトは失われます。 |
| 会議出席依頼 | iCalendar形式で送信されます。実務上のインターフェースや操作手順に大きな差異はありません。 |
| 仕事の依頼 | 使用不可。通常のメッセージに変換されます。 |
| 投票ボタン | 設定は可能ですが、受信者には表示されません。 |
| OLEオブジェクトの本文埋め込み | 使用不可。画像ファイルなどに置き換えられます。 |
| メッセージの取り消し | 使用不可。取り消しメッセージは通常のメッセージに置き換えられます。 |
よくある質問
Q. 社内のユーザーにもwinmail.datが送られてしまいます。この設定で直りますか?
A. リモートドメインの設定は組織外への送信にのみ適用されます。同じテナント内のユーザー同士のメールは引き続きTNEF形式で送信されるため、この事象が社内のみで起きている場合は、別の原因(受信側のメールクライアントの設定など)を確認する必要があります。
Q. TNEFを無効にすると、会議の招待に何か問題は出ますか?
A. TNEFを無効にすると、会議出席依頼はiCalendar形式で送信されるようになります。GoogleカレンダーなどTNEFに対応していないスケジューラでも問題なく読み込める形式のため、通常の会議出席依頼と操作面で大きな違いは見受けられません。
Q. 設定してもすぐに反映されません。
A. リモートドメインの設定変更は、反映まで1日程度かかる場合があります。設定直後にすぐ確認できなくても、エラーではない可能性が高いので、時間を置いてから再度確認してみてください。
まとめ
添付ファイルが「winmail.dat」に置き換わる、または消失してしまう場合は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 原因は、Exchange OnlineがOutlook固有のTNEF形式でメッセージを送信していること
- 受信側がTNEFに対応していないメールサーバー・クライアントの場合に発生しやすい
- Exchange管理センターの [メール フロー] > [リモート ドメイン] から、リッチテキスト形式(TNEF)を無効化することで回避できる
- 無効化はあくまで組織外への送信にのみ適用され、いくつかのOutlook固有機能が制限される点は許容する必要がある
取引先から「添付ファイルが開けない」「winmail.datというファイルが届く」といった問い合わせを受けた場合は、まずこの設定を確認してみることをおすすめします。