社畜の所業

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Microsoft365の機能について解説をしていきたいと思います。このブログの情報をご活用いただければ幸いです。たまに他の情報も取り入れていきたいと思います。

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【Microsoft365参考書】削除されたメールを復元するには?

削除メール復元

 

メールを削除した場合、回復可能なアイテム領域 (Deletions) に移動し、既定で 14 日経過後に完全削除される動作です。

なお、訴訟ホールドなどの保持機能が有効である場合は、回復可能なアイテム領域 (Deletions) から削除されたあと、指定した保持期間まで回復可能なアイテム領域 (DiscoveryHolds または Purges) に移動し保持されます。

 

 

回復可能なアイテム領域 (Deletions) に残っている場合は、ユーザーでも復元することができますが、回復可能なアイテム領域 (DiscoveryHolds または Purges) に移動している場合は管理者にて復元する必要があります。

 

以下に、回復可能なアイテム領域 (Purges) のアイテムを復元する方法をご紹介したいと思います。

 

 

回復可能なアイテム領域のアイテムを復元する手順

事前準備 : 必要な権限の付与を行う

事前に実行するユーザーに対して [管理者の役割] で [Mailbox Import Export] 権限の付与が必要となります。

※ グローバル管理者も、既定では [Mailbox Import Export] 権限が付与されていません。

 

Mailbox Import Export の役割の付与

  1. 管理者にて、Microsoft 365 管理センターにサインインし、[管理センター] - [Exchange] の順にクリックします。
  2. Exchange 管理センターにて、[アクセス許可] - [管理者の役割] をクリックします。
  3. [+] (追加) ボタンをクリックし [名前] に任意の名前を入力します。
  4. [役割:] にて、[+] ボタン (追加) より、"Mailbox Import Export" を追加し [OK] をクリックします。
  5. [メンバー:] にて、[+] ボタン (追加) より、役割を付与するユーザーを追加し [OK] をクリックします。
  6. 画面下の [保存] をクリックします。

 

管理者にて、Exchange 管理センターから回復可能なアイテム領域のアイテムを復元する

  1. 管理者権限を持つアカウントで Exchange 管理センターにアクセスします。
  2. Exchange 管理センターに遷移しますので、[受信者] > [メールボックス] を選択します。
  3. 対象のメールボックスにチェックを入れ、[その他] から [削除済みアイテムを復元] をクリックします。
  4. 表示されたアイテム一覧の [フォルダーの種類] より、現在の格納先フォルダーが確認可能です。

※ 画面上部の  […] > [フォルダーの種類] より [削除] を選択し [フィルターの適用] をクリックすると [Deletions] フォルダー内のアイテムのみが表示され、[アーカイブされたアイテム] 選択し、 [フィルターの適用] すると [Purges] フォルダー内のアイテムのみの表示となります。

  1. 復元対象のアイテムがある場合、アイテムを選択した状態で [削除済みアイテムを復元] をクリックします。

 

上記の手順では、DiscoveryHolds に格納されているアイテムは復元ができないため、以下の Powershell の手順にて実施ください。

※ 上述した [Mailbox Import Export] の権限が付与されているユーザーにて実施してください。

 

以下のサイトの手順にて、Exchange Online に接続してから実行してください。

 

it-bibouroku.hateblo.jp

 

 

Restore-RecoverableItems コマンドによる復元について

Restore-RecoverableItems コマンドを実行することで、削除される前に存在していたフォルダーにアイテムの復元が可能です。

※ [FilterStartTime] や [FilterEndTime] には削除日が含まれるように指定してください。

※ [削除済みアイテムを復元 (Deletions)] フォルダーから削除されたアイテムは、無期限の訴訟ホールドが有効な場合は、[Purges]、有期限の訴訟ホールド、または保持ポリシーによる保持が有効な場合は [DiscoveryHolds] フォルダーに格納され、設定された期間保持が行われる動作を確認しております。

 

1. 特定メールボックスの Purges フォルダー内のアイテムを確認する

[構文]

Get-RecoverableItems <対象メールボックス> -SourceFolder Purgeditem -FilterStartTime "<開始日>" -FilterEndTime "<終了日>" -ResultSize Unlimited

 

[実行例]

Get-RecoverableItems User01@contoso.com -SourceFolder Purgeditem -FilterStartTime "06/01/2023" -FilterEndTime "06/19/2023" -ResultSize Unlimited

 

2. 特定メールボックスの DiscoveryHolds フォルダー内のアイテムを確認する

[構文]

Get-RecoverableItems <対象メールボックス> -SourceFolder DiscoveryHoldsitem -FilterStartTime "<開始日>" -FilterEndTime "<終了日>" -ResultSize Unlimited

 

[実行例]

Get-RecoverableItems User01@contoso.com -SourceFolder DiscoveryHoldsitem -FilterStartTime "06/01/2023" -FilterEndTime "06/19/2023" -ResultSize Unlimited

 

[実行結果例]

LastParentPath : 送信済みアイテム

LastParentFolderID : 0F*******

EntryID : 00**********************************

Subject : メールアイテムの件名

SourceFolder : RecoverableItems\DiscoveryHolds

 

実行結果にて [LastParentPath] が [送信済みアイテム] である場合、[送信済みアイテム] フォルダーに格納されていたアイテムとなります。

上記 [LastParentPath] が [送信済みアイテム] の [LastParentFolderID] の値を指定することで [送信済みアイテム] フォルダーに格納され削除されたアイテムのみを復元します。

 

3. 特定メールボックスの [LastParentFolderID] の値を指定しフォルダー内のアイテムを復元する

[構文]

Restore-RecoverableItems <対象メールボックス> -SourceFolder "Purgeditem または、DiscoveryHoldsitem" -LastParentFolderID "送信済みアイテムフォルダーの LastParentFolderID の値"

 

[実行例]

Restore-RecoverableItems User01@contoso.com -SourceFolder Purgeditem -LastParentFolderID "0F*******"

※ 上記実行例では、User01@contoso.com の回復可能なアイテム領域移動の Purges 内に格納されたアイテム内、[送信済みアイテム] フォルダーの [LastParentFolderID] を指定して復元しています。

※ 対象アイテムが DiscoveryHolds に格納されている場合は、[-SourceFolder] パラメータは [DiscoveryHoldsitem] を指定します。

 

4. 特定メールボックスの [EntryID] の値を指定し対象のアイテムを復元する

[構文]

Restore-RecoverableItems <対象メールボックス> -EntryID "対象のアイテムの EntryID の値"

 

[実行例]

Restore-RecoverableItems User01@contoso.com -EntryID "00**********************************"

※ 上記実行例では、User01@contoso.com の回復可能なアイテム領域内に格納されたアイテムの [EntryID] を指定して復元しています。

 

なお、アーカイブメールボックスの回復可能なアイテムに移動したアイテムについては、上記の手順では復元することができません。

その場合は、[コンテンツの検索]でPSTファイルにエクスポートしインポートする方法で復元する必要があります。

 

 

it-bibouroku.hateblo.jp