Exchange Online から外部に送信するメールの差出人表記について、既定では、[表示名 + メールアドレス] が表示されますが、相手先が外国の場合など英語表記にしたいというシナリオがありますね。
その場合、リモート ドメインと ユーザーメールボックスの SimpleDisplayName の設定をおこなうことで、任意の英語表記名 (簡易表示名)を指定することが可能です。
それにより、表示名については、変更せずにそのまま利用することが可能であり、指定した外国のユーザーのドメインに対してのみ英語の差出人として送信することができます。
以下に、各設定の詳細と手順をご案内いたしますので、ご参考にしていただけますと幸いです。
■ 1. 外部への送信時に表示させる差出人情報の組み合わせについて
Exchange Online から組織外へ送信したメールにつきましては、リモート ドメインの [DisplaySenderName] と [UseSimpleDisplayName] およびユーザーの [SimpleDisplayname] 設定における組み合わせで表示が異なります。
既定では、リモートドメインの [DisplaySenderName] が [True]、[UseSimpleDisplayName] が [False] で、ユーザーの [SimpleDisplayName] は [未設定] であるため、組織外への送信は [表示名 + メールアドレス] が表示されます。
[DisplaySenderName] [UseSimpleDisplayName] [SimpleDisplayname] 設定における組み合わせで表示される情報は、以下の組み合わせとなります。
<設定内容>
DisplaySenderName = A
UseSimpleDisplayName = B
SimpleDisplayname = C
<表示結果>
A | B | C |表示結果
------+-------+--------+----------
False | False | 未設定 | アドレス
True | False | 未設定 | 表示名 + アドレス
False | True | 未設定 | アドレス
True | True | 未設定 | アドレス
False | False | 設定 | アドレス
True | False | 設定 | 表示名 + アドレス
False | True | 設定 | 簡易表示名+アドレス
True | True | 設定 | 簡易表示名 + アドレス
SimpleDisplayName につきましては、管理画面から設定することができず、Powershell のコマンドレットにて実行する必要があります。
■ 1. リモートドメインを作成する手順
- 管理者権限を付与したユーザーにて、Office 365 ポータルサイトにサインインします。
- 画面左側の [管理者センター] にて、[Exchange] をクリックし、Exchange 管理センター (EAC) を開きます。
- 画面左側のメニューから [メールフロー] をクリックします。
- [リモートドメイン] をクリックし、[+] をクリックします。
- 名前に任意の文字を入力します。
- リモートドメインに指定するドメインを入力します。
※ 宛先として対象とするドメインを指定します。* を利用したワイルドカードの指定も可能です。
- [保存] をクリックします。
■ 2. リモート ドメインの設定変更を行うコマンドレット
<構文例>
Set-RemoteDomain -Identity "設定変更を行うリモート ドメイン名" -DisplaySenderName $True -UseSimpleDisplayName $True
<実行例>
Set-RemoteDomain -Identity "Default" -DisplaySenderName $True -UseSimpleDisplayName $True
※ 実行例 では既定のリモート ドメインである [Default] の設定を変更しております。
■ 3. ユーザーに SimpleDisplayName を設定する方法。
3-1.ユーザー個別に設定する場合
<構文>
Set-Mailbox -Identity "対象ユーザーのメールアドレス" -SimpleDisplayName "任意の差出人名"
<実行例>
Set-Mailbox -Identity aaa@contoso.com -SimpleDisplayName "AAA User"
[SimpleDisplayName] 属性には漢字やダブルバイト文字を設定することが出来ず、設定可能な文字列については以下の通りとなっております。
[使用可能文字列]
a - z
A - Z
0 - 9
" ' ( ) + , - . / : ? 半角スペース
3-2.複数のユーザーを一括で設定する場合
まずは、CSVファイルにインポートする情報を記載します。
※ Excel ファイルにて作成する場合は、[,] を入れて頂く必要はございません。
※ 1 行目は固定値となり、2 行目以降にユーザーのメールアドレスと SimpleDisplayName に設定する表示名を記載します。
[CSV ファイル作成例]
Identity,Simpledisplayname
aaa@contoso.com,AAA User
bbb@contoso.com,BBB User
ccc@consoto.com,CCC User
※ 下記の手順より、作成した CSV ファイルをインポートをしていただくことで、複数のユーザーに一括で SimpleDispalyName が付与されます。
3-3.CSV ファイルのインポートによる SimpleDisplayName の付与
<構文>
Import-csv <作成した CSV ファイルの保存場所\ファイル名> | foreach {Set-Mailbox -Identity $_.Identity -SimpleDisplayName $_.SimpleDisplayname}
<実行例>
Import-csv C:\Temp\SimpleDisplayName.csv | Foreach {Set-Mailbox -Identity $_.Identity -SimpleDisplayName $_.SimpleDisplayname}
上記の設定により指定したドメインへ送信する場合は、SimpleDisplayNameが差出人として送信されますので、お試しください。
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