オンラインアーカイブを無効にする場合、対象メールボックスに対して訴訟ホールドなどの保持機能が有効化されている場合は、アーカイブメールボックスを無効化することは出来ない動作です。
そのため、アーカイブメールボックスを無効化する場合には事前に該当ユーザーの訴訟ホールドなど保持機能を無効化したうえで実施する必要があります。
また、保持機能を無効化した場合、保持対象のアイテムの保持についても無効となりますので、保持対象のメールアイテムが削除されることが懸念されます。
必要に応じて事前にコンテンツ検索によるメールアイテムなどの PST ファイルへバックアップを実施しておくことをおススメします。
なお、保持機能は、訴訟ホールドとコンプライアンスセンターのアイテム保持ポリシーがありますので、両方の無効化の手順をご案内いたしますので、利用されている保持機能を無効化してください。
※ 保持機能を有効化していない場合は、手順 3. のみ実施してください。
1. 保持機能の無効化を実施する
訴訟ホールドを無効にする手順
- 全体管理者にて、Exchange管理センター (https://outlook.office365.com/ecp/) を開きます
- 左ペイン[受信者] をクリックし、画面中央の [メールボックス] をクリックします。
- ご指定のユーザーを一覧より選択し、ダブルクリックします。
- メールボックスの詳細画面が開きますので、左側の項目より[メールボックスの機能] をクリックします。
- メニューをスクロールダウンし、[訴訟ホールド] の項目にて、[無効にする] をクリックします。
※警告画面は [はい] で進めます。
- [訴訟ホールド]の項目が[無効] に変わっていることを確認し [保存] をクリックします。
アイテム保持ポリシーにて除外設定をする手順
- 管理者にて、Office 365サービスへサインインします。
- Microsoft365管理センターを開き、画面左ペインの[管理センター] - [コンプライアンス] をクリックします。
- コンプライアンス センターにて、[情報ガバナンス]をクリックし、上部の [アイテム保持ポリシー] をクリックします。
- 該当のポリシーの[… (操作)] をクリックし、[編集] をクリックします。
- [アイテム保持ポリシーに名前を付ける]画面は、そのまま[次へ] をクリックします。
- [Exchangeメール]の [除外] 欄の [編集] をクリックします。
- 対象となるユーザーを選択し、[完了]をクリックし、[次へ] をクリックします。
※ 一覧に該当のユーザーが存在しない場合は、検索バーに該当のユーザーの表示名、メールアドレスを入力しエンターキーを押して検索します。
- [コンテンツを保持するか、削除するか、または両方を行うかを決定します]画面は、そのまま[次へ] をクリックします。
- [送信]をクリックします。
※ 保持機能が無効化されるまでお時間がかかる場合がございますので、時間を置いてから次の作業に進めてください。
2. 遅延保留機能の無効化を実施する
遅延保留機能について
保持機能の無効化を行った際に、"DelayHoldApplied"、または "DelayReleaseHoldApplied" パラメータが自動で有効化される場合があります。
※ 保持機能の無効化後、管理フォルダーアシスタントによる走査が行われることで、有効化が行われます。
当パラメータは誤って保持機能の無効操作が行われた場合を考慮したパラメータになり、有効 (True) の状態の場合、保持機能が有効なメールボックスと同じ動作を行います。
当パラメータは 30 日経過後、自動で無効になりますが、以下の手順を実施することで任意のタイミングで無効化を行うことが可能です。
※ Exchange Online に接続してから実行してください。
1. 遅延保留パラメータの設定状況を確認する
[構文]
Get-Mailbox -Identity <対象ユーザーのメールアドレス> | select Displayname,DelayHoldApplied,DelayReleaseHoldApplied
[実行例]
Get-Mailbox -Identity user001@contoso.com | select Displayname,DelayHoldApplied,DelayReleaseHoldApplied
[結果表示例]
DisplayName DelayHoldApplied DelayReleaseHoldApplied
----------- ---------------- ----------------------
user001 True False
※ DelayHoldApplied、DelayReleaseHoldApplied の既定値は “False” となります。
2. 下記のコマンドレットにて、True となっている遅延保留パラメータの無効化を行います。
◇"DelayHoldApplied" パラメータの無効化
[実行例]
Set-Mailbox -Identity user001@contoso.com -RemoveDelayHoldApplied
◇ "DelayReleaseHoldApplied" パラメータの無効化
[実行例]
Set-Mailbox -Identity user001@contoso.com -RemoveDelayReleaseHoldApplied
※ 反映まで最大 24 時間を要する場合があります。
3. インプレースアーカイブの無効化を実施します
[構文]
Disable-Mailbox -Identity "ユーザーのアドレス" -Archive -Confirm:$False
[実行例]
Disable-Mailbox -Identity user@contoso.com -Archive -Confirm:$False
4. 保持機能を有効化します
項番 1 にて無効化した保持機能を有効化します。
なお、オンラインアーカイブの設定状況を確認する場合は以下のコマンドレットにて可能です。
オンラインアーカイブの設定状況を確認するコマンドレット
[構文]
Get-Mailbox "ユーザーのアドレス" | Select DisplayName,ArchiveStatus
[実行例]
Get-Mailbox "user@contoso.com" | Select DisplayName,ArchiveStatus
<実行結果について>
[DisplayName] : 表示名
[ArchiveStatus] : インプレースアーカイブ ※ [Active] : 有効、[None] : 無効