- 1. 非アクティブなメールボックス情報の取得
- 2. 保持期間を変更する場合
- 1. 訴訟ホールドを無効化します
- 2. アイテム保持ポリシーにて、メールボックス全体の保持から除外します。
- 3.アイテム保持ポリシーから除外する手順
- 4 遅延保持 (DelayHoldApplied/DelayReleaseHoldApplied) の設定状況の確認/無効化を行う
- 5. 保持が無効な削除済みメールボックスを完全削除する
- 6. 非アクティブメールボックスが削除されたか確認します
訴訟ホールドなどの保持機能を有効化した状態で Exchange Online のライセンスを付与したままアカウントを削除することで、非アクティブなメールボックスとして残り続ける動作です。
非アクティブなメールボックスについては以下の記事もご参照いただけますと幸いです。
なお、非アクティブなメールボックスのデータを削除する場合、訴訟ホールドの期限を有期限とすることで、指定した期間を経過したアイテムは削除される動作となります。
例として、保持期間を 1 年とした場合、1 年経過したアイテムが削除される動作となります。
最終的にはメールデータはすべて削除され、メールボックスだけ残る状態となります。
また、非アクティブなメールボックス自体を削除する場合は、訴訟ホールドを無効化することで可能です。
また、アイテム保持ポリシーによる保持が有効である場合も、無効化することで可能です。
なお、非アクティブなメールボックスの訴訟ホールドの期間の変更や無効化は、Powershell のコマンドレットを利用することで可能です。
以下にコマンドレットをご紹介します。
以下のサイトを参考にExchange Online に接続してから実行してください。
1. 非アクティブなメールボックス情報の取得
[実行例]
Get-Mailbox -InactiveMailboxOnly -ResultSize Unlimited | Select DisplayName,LitigationHoldEnabled,LitigationHoldDuration,PrimarySmtpAddress,Guid | Export-Csv -NoTypeInformation -Encoding UTF8 -Path C:\Temp\InactiveMailboxOnly.csv
※ 実行例は C ドライブの Temp フォルダーに情報が出力されます。適宜ファイル名の変更をお願い申し上げます。
[出力項目]
DisplayName : 表示名
LitigationHoldEnabled : 訴訟ホールドの設定 (True / 有効、False / 無効)
LitigationHoldDuration : 訴訟ホールドの保持期間
PrimarySmtpAddress : プライマリ メール アドレス
Guid : メールボックスの Guid
2. 保持期間を変更する場合
[構文]
Set-Mailbox -Identity "<項番1 で取得した情報の [GUID]>" -InactiveMailbox -LitigationHoldDuration <指定する保持期間 (日)>
[実行例]
Set-Mailbox -Identity "a351597b-c3ad-43cf-a0dd-ddb327307105" -InactiveMailbox -LitigationHoldDuration 30
※ 上記の例では、30 日に変更しています。
非アクティブなメールボックス自体を削除する場合は、以下のコマンドレットを実行してください。
1. 訴訟ホールドを無効化します
[実行例]
Set-Mailbox -Identity user@contoso.com -InactiveMailbox -LitigationHoldEnabled $False
2. アイテム保持ポリシーにて、メールボックス全体の保持から除外します。
※アイテム保持ポリシーですべてのExchangeOnlineのメールを対象としている場合に実行します。
[実行例]
Set-Mailbox -Identity user@contoso.com -ExcludeFromAllOrgHolds
3.アイテム保持ポリシーから除外する手順
※ユーザー単位でアイテム保持ポリシーの対象としている場合に実行します。
- 管理者にて、Microsoft 365 サービスへサインインします。
- Microsoft365 管理センターを開き、画面左ペインの[管理センター] - [コンプライアンス] をクリックします。
- Microsoft Purview (Microsoft 365 コンプライアンス) にて、[データライフサイクル管理] をクリックし、上部の[アイテム保持ポリシー] をクリックします。
- 該当のポリシーの[… (操作)] をクリックし、[編集] をクリックします。
- [アイテム保持ポリシーに名前を付ける] と[ポリシースコープ] と[作成するアイテム保持ポリシーの種類を選択する] 画面は、そのまま [次へ] をクリックします。
- [Exchange メール] の[含まれる] 欄の[編集] をクリックします。
- 対象となるユーザーにチェックが入っている場合はチェックを外し、[完了] をクリックし、[次へ] をクリックします。
- [コンテンツを保持するか、削除するか、または両方を行うかを決定します] 画面は、そのまま[次へ] をクリックします。
- [送信] をクリックします。
4 遅延保持 (DelayHoldApplied/DelayReleaseHoldApplied) の設定状況の確認/無効化を行う
4-1. 管理フォルダアシスタントを手動で走査させるコマンド
[実行例]
Start-ManagedFolderAssistant -Identity user@contoso.com -InactiveMailbox
一度のコマンドレットの実行では反映されない場合があるので数回(2 ~ 3 回)コマンドレットを実行してください。
エラーになる場合、非アクティブなメールボックスからSoftDeleteに変わっている状況と考えられるため、次の手順に進めても問題ありません。
4-2. 遅延保持パラメータの設定状況を確認する
[実行例]
Get-Mailbox -Identity user@contoso.com -SoftDeletedMailbox | select Displayname,DelayHoldApplied,DelayReleaseHoldApplied,IsInactiveMailbox
[結果表示例]
DisplayName DelayHoldApplied DelayReleaseHoldApplied IsInactiveMailbox
----------- ---------------- ---------------------- --------------------
user001 True False False
※ DelayHoldApplied、DelayReleaseHoldApplied の既定値は “False” となります。
※ DelayHoldApplied、DelayReleaseHoldApplied のいずれか、または両方が "True" となっていることを確認してください。
※ IsInactiveMailbox が False の場合には既に保持が外れて非アクティブなメールボックスから削除済みメールボックスへの変換されてます。
4-3. 下記のコマンドレットにて、True となっている遅延保持パラメータの無効化を行います。
本コマンドは DelayHoldApplied、DelayReleaseHoldApplied が True の場合に実行してください。
どちらも False の場合には、次の手順に進んでください。
"DelayHoldApplied" パラメータの無効化
[実行例]
Set-Mailbox -Identity user@contoso.com -RemoveDelayHoldApplied -InactiveMailbox
"DelayReleaseHoldApplied" パラメータの無効化
[実行例]
Set-Mailbox -Identity user@contoso.com -RemoveDelayReleaseHoldApplied -InactiveMailbox
4-4. 実行結果確認
[実行例]
Get-Mailbox -Identity user@contoso.com -InactiveMailbox | select Displayname,DelayHoldApplied,DelayReleaseHoldApplied
[結果表示例]
DisplayName DelayHoldApplied DelayReleaseHoldApplied
----------- ---------------- ----------------------
user001 False False
※ DelayHoldApplied、DelayReleaseHoldApplied ともに False となったことを確認してください。
5. 保持が無効な削除済みメールボックスを完全削除する
[実行例]
Remove-Mailbox -Identity user@contoso.com -PermanentlyDelete -Confirm:$false
6. 非アクティブメールボックスが削除されたか確認します
[実行例]
Get-Mailbox -Identity user@contoso.com -SoftDeletedMailbox
[実行結果]
エラーが表示されれば、非アクティブなメールボックスは削除されてます。