退職者のアカウントに対して訴訟ホールドなどの保持機能を有効に設定している場合、ライセンスが付与されている状態でユーザーを削除しますと、付与されていたライセンスは自動的に外れ、[非アクティブなメールボックス] として、訴訟ホールドなどの保持機能で設定している保持期間サーバーに保存される動作になります。
[非アクティブなメールボックス] は訴訟ホールドなどの保持機能が有効の状態であること、および、ライセンスが付与されている状態でユーザーを削除することが条件となります。
ユーザーの削除が行われる前にライセンスが外された場合は、保持機能を利用するための利用要件を満たしていない状態になるため、保持の保証がされません。
保持機能については、以下の記事をご参照ください。
なお、非アクティブなメールボックスのアドレスにメールが送信されても受信はできませんので、あくまでメールデータの保管を目的としたものです。
非アクティブなメールボックスを利用するには、訴訟ホールドなどの保持機能が必要ですので、Exchange Online プラン2 のライセンスが必要です。
もし、Exchange Online プラン 1 しかない場合は、非アクティブなメールボックス専用に Exchange Online プラン 2 のライセンスを用意し、非アクティブなメールボックスとしてライセンスが外れたら、Exchange Online プラン 2 を解約しても問題ないです。
※Exchange Online プラン1 + Exchange Online Archivingのライセンスでも可能です。
ただし、Office365 テナントからExchange Onlineのライセンスをすべて無くしてしまうとExchange Online自体が消滅してしまうので、非アクティブなメールボックスを残すことができません。
そのため、Exchange Onlineプラン1 を1個だけでも残しておけば、非アクティブなユーザーとして残し続けることができます。
非アクティブなメールボックスは、保持期間を有期限とした場合、期限切れになると回復可能なアイテム領域からのみアイテムが削除される動作であり、非アクティブなメールボックス自体は保持機能を無効化しない限りは残り続けます。
なお、非アクティブなメールボックスのメールを閲覧するには、管理者にて、[コンテンツの検索]の機能を利用することで可能です。
[コンテンツの検索]については、以下の記事をご参照ください。
保持期限が切れた場合
有期限で保持設定をしている場合、保持期限が切れた場合、非アクティブなメールボックスで保持されているアイテムが削除される動作となりますが、非アクティブなメールボックス自体は削除されずに残り続けます。
保持機能を無効化することで非アクティブなメールボックスを削除することができます。
非アクティブなメールボックスを確認するコマンドレット
以下のコマンドレットで、非アクティブなメールボックスの一覧を取得することが可能です。
以下の記事を参考にExchangeOnlineに接続してから実行してください。
<構文>
Get-Mailbox -InactiveMailbox | Select DisplayName,PrimarySmtpAddress | Export-CSV -Encoding UTF8 -Path <ファイルパス\ファイル名>.csv -NoTypeInformation
<実行例>
Get-Mailbox -InactiveMailbox | Select DisplayName,PrimarySmtpAddress | Export-CSV -Encoding UTF8 -Path C:\temp\Primary.csv -NoTypeInformation
※C ドライブの配下の temp フォルダーに Primary.csv という名前のファイルで情報保存する場合
<出力結果>
DisplayName : 表示名
PrimarySmtpAddress : プライマリアドレス
非アクティブなメールボックスを削除する場合は以下の記事でご紹介しておりますので参考としてくださいね。