
この記事でわかること
- 会議の変更通知メールが、受信トレイではなく削除済みアイテムフォルダーに配信される理由
- この動作を制御している [VisibleMeetingUpdateProperties] という設定値
- すべての変更通知を受信トレイに配信するように変更する方法
「会議の内容を変更したはずなのに、出席者の受信トレイに通知メールが見当たらない」という現象を見かけることがあります。これは不具合ではなく、Exchange Onlineの[VisibleMeetingUpdateProperties]という設定値による、意図された動作です。
既定の設定では、開催者が会議の重要ではない項目を変更した場合、既にその会議に返信済みの出席者に対しては、受信トレイフォルダーではなく削除済みアイテムフォルダーに変更通知メールが自動的に配信されます。これは、出席者があらためて変更通知メールに返信する手間を省くための仕組みです。
削除済みアイテムフォルダーに配信された場合でも、変更内容は自動的に出席者の予定表に反映されます。「通知が来ていない=予定表が更新されていない」というわけではありませんので、まずは予定表側の内容を確認してみてください。
- この記事でわかること
- 「会議の重要な項目」とは
- 重要な項目以外でも受信トレイに配信される条件
- すべての変更通知を受信トレイに配信するように変更する
- 注意点:定期パターンの変更に関する既知の齟齬
- よくある質問
- まとめ
「会議の重要な項目」とは
開催者が以下のいずれかの項目を変更した場合、変更通知メールは既定の動作でも受信トレイフォルダーに配信されます。
- 開始日または開始時間
- 終了日または終了時間
- 定期的なパターン
- 場所
重要な項目以外でも受信トレイに配信される条件
上記の「重要な項目」以外の変更であっても、以下のいずれかに該当する場合は、変更通知が常に出席者の受信トレイに配信されます。
- 出席者が会議メッセージ本文でメンションされている
- 会議が15分以内に開始される(定期的に予約されている会議の場合、次回の予約が15分以内に該当するかで判断されます)
- 受信ユーザーが予定表の代理人である(代理人が会議メッセージを受信する場合、変更通知は常に代理人の受信トレイに配信され、自動処理されません)
すべての変更通知を受信トレイに配信するように変更する
[VisibleMeetingUpdateProperties] という設定値を変更することで、すべての変更通知を受信トレイに配信するように動作を変更できます。
・この設定はWindows PowerShellでのみ変更可能で、Exchange管理センターの画面からは変更できません。
・ユーザー個別に設定することはできず、テナント単位(全ユーザー)で適用される設定です。
事前準備
あらかじめ以下の記事を参考に、Exchange Online PowerShellに接続してください。
設定値の確認
Get-OrganizationConfig | select VisibleMeetingUpdateProperties
※本パラメーターの既定値は Location,AllProperties:15 です(場所の変更は常に、それ以外の項目の変更は会議開始15分前以内であれば、受信トレイに通知が配信されるという意味です)。
設定値の変更
Set-OrganizationConfig -VisibleMeetingUpdateProperties AllProperties
※AllPropertiesの部分を$Defaultに変更して実行することで、既定の動作(Location,AllProperties:15、変更通知が削除済みアイテムに格納される)に戻すことができます。
注意点:定期パターンの変更に関する既知の齟齬
公式ドキュメントでは、会議の日時や定期的なパターンの変更は「重要な項目」として常に受信トレイに通知が配信されるとされています。しかし、Microsoft Community Hub上では、定期的なパターンの変更がドキュメント通りに動作しない(削除済みアイテムに配信されてしまう)という既知の齟齬が報告されています。もし定期的な会議のパターン変更に関する通知が見当たらない場合は、設定の問題ではなくこの既知の挙動の可能性も考慮し、あわせて予定表側の内容を確認することをおすすめします。
よくある質問
Q. 削除済みアイテムに配信された変更通知は、削除しても予定表に影響しませんか?
A. 影響しません。変更内容は自動処理の時点で既に予定表に反映されているため、削除済みアイテムフォルダーのメールを削除しても、予定表の内容がもとに戻ることはありません。
Q. 特定のユーザーだけ、この動作を無効にすることはできますか?
A. できません。[VisibleMeetingUpdateProperties] はテナント単位(組織全体)で適用される設定のため、ユーザーごとに個別の設定を行うことはできません。
Q. Outlookデスクトップ版とOutlook on the webで動作が違うという報告を見ました。本当ですか?
A. Outlookデスクトップ版のオプションには、会議更新の自動処理に関するチェックボックスがあり、これを無効にすることでクライアント側の挙動を変更できる場合があります。一方Outlook on the webでは、同様の操作をしても動作が変わらないという報告があります。組織全体の挙動を統一したい場合は、この記事で紹介した [VisibleMeetingUpdateProperties] の設定変更が確実です。
まとめ
会議の変更通知メールが削除済みアイテムフォルダーに移動される場合は、以下のポイントを押さえておきましょう。
- これは不具合ではなく、[VisibleMeetingUpdateProperties] による意図された既定動作
- 削除済みアイテムに配信されても、変更内容は自動的に予定表に反映されている
- すべての通知を受信トレイに配信したい場合は、PowerShellで
Set-OrganizationConfig -VisibleMeetingUpdateProperties AllPropertiesを実行する(テナント単位の設定) - 定期パターンの変更については、ドキュメント通りに動作しない既知の齟齬が報告されている
「通知メールが来ない」という問い合わせを受けた場合は、まずこの仕様を疑い、予定表側の内容が正しく反映されているかをあわせて確認することをおすすめします。