今回は、階層型アドレス帳について、ご紹介したいと思います。
- 階層型アドレス帳について
- 階層型アドレス帳の設定について
- 利用可能なグループについて
- Outlook クライアントのサポート対象について
- 一つの部署内に所属可能なオブジェクト数について
- 階層型アドレス帳の作成可能な階層数について
- 手順 1. メールが有効なセキュリティグループ (または配布グループ) を作成します
- 手順 2. 階層型アドレス帳のルート組織を指定します
- 手順 3. 階層型アドレス帳に表示させるグループを指定します
- 手順 4. 下の階層になるグループを指定します
- 補足事項 : 階層型アドレス帳の反映について
階層型アドレス帳について
階層型アドレス帳とは、Exchange OnlineとMicrosoft Office Outlookの環境を拡張し、Outlook クライアントにて、組織の階層構造をたどって特定の組織に属している人の中から目的の人を選択するユーザーインターフェースを実現します。
階層型アドレス帳の設定について
階層型アドレス帳は、PowerShell コマンドレットでの設定が必要です。
利用可能なグループについて
階層型アドレス帳にて、階層指定が可能なグループは、「配布グループ」及び「メールが有効なセキュリティグループ」となります。
Outlook クライアントのサポート対象について
階層型アドレス帳のご利用は、Outlook クライアントのみとなり、Outlook on the web では利用できません。
一つの部署内に所属可能なオブジェクト数について
一部署の直下で保持できるオブジェクトは、部署数は1,500まで、ユーザー数は1,500まで、またユーザー数と部署数をあわせて合計2,000までとなっております。
上記で記載している数値は論理上の制限であり、実際にはこの数値を超えるオブジェクトを作成する事が可能です。
設定例)
コントソ株式会社(1階層目、この直下に2000オブジェクト登録可能)
--営業本部(2階層目、この直下に2000オブジェクト登録可能)
--第一営業(3階層目、この直下に2000オブジェクト登録可能)
--営業一課(4階層目、この直下に2000オブジェクト登録可能)
--営業二課(4階層目、この直下に2000オブジェクト登録可能)
階層型アドレス帳の作成可能な階層数について
階層型アドレス帳の最大階層は、ルート組織 (最上位の部署)を 1 階層として、表示できる部署 (グループ) の階層は 15 階層までとなります。
階層型アドレス帳を作成する手順について、以下にご案内いたします。
手順 1. メールが有効なセキュリティグループ (または配布グループ) を作成します
階層化する組織ごとにセキュリティグループ(配布グループ)を作成してください。
例 : 1 階層 : Group1@contoso.com
2 階層 : Group2@contoso.com
3 階層 : Group3@contoso.com
手順 2. 階層型アドレス帳のルート組織を指定します
PowerShell にて、以下のコマンドレットを入力し、階層型アドレスのルート組織として指定します。
※ Exchange Onlineに接続してから実行してください。
<構文>
Set-OrganizationConfig -HierarchicalAddressBookRoot <一番上の階層になるグループのメールアドレス>
<実行例>
Set-OrganizationConfig -HierarchicalAddressBookRoot "Group1@contoso.com"
手順 3. 階層型アドレス帳に表示させるグループを指定します
<構文>
Set-Group -Identity <表示させるグループのメールアドレス> -IsHierarchicalGroup $true
<実行例>
Set-Group -Identity Group1@contoso.com -IsHierarchicalGroup $true
Set-Group -Identity Group2@contoso.com -IsHierarchicalGroup $true
Set-Group -Identity Group3@contoso.com -IsHierarchicalGroup $true
※下の階層に含むグループもすべて指定します。
手順 4. 下の階層になるグループを指定します
以下のコマンドレットを入力し、下の階層になるグループを指定します。
<構文>
Add-DistributionGroupMember -Identity <階層元のグループ> -Member <階層化するグループ>
<実行例>
Add-DistributionGroupMember -Identity "Group1@contoso.com" -Member "Group2@contoso.com"
※Group1@contoso.com の下の階層に Group2@contoso.com を指定します。
さらに下の階層にグループを指定する場合には、上位階層となるグループのメンバーとして設定を続けます。
<実行例>
Add-DistributionGroupMember -Identity "Group2@contoso.com" -Member "Group3@contoso.com"
※Group2@contoso.com の下の階層に Group3@contoso.com を指定します。
補足事項 : 階層型アドレス帳の反映について
階層型アドレス帳の表示は、オフラインアドレス帳が関連している可能性があり、反映まで最大 48 時間要する可能性があります。そのため、即座に反映を行うには、プロファイルの再作成、または Exchange キャッシュモードの解除を行うことで、表示される可能性があります。
※設定が反映しますと Outlook クライアントの連絡先画面に [組織] のタブが表示されます。
OutlookやOfficeアプリについては以下の記事も参考としてくださいね。