社畜の所業

社畜の所業

Microsoft365の機能について解説をしていきたいと思います。このブログの情報をご活用いただければ幸いです。たまに他の情報も取り入れていきたいと思います。

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【Microsoft365参考書】非アクティブなメールボックスのアイテムを復元するには?

ライセンスを利用せずにメールデータを残す場合、非アクティブなメールボックスに変換する方法があります。

 

詳細については、以下の記事をご参照ください。

 

 

it-bibouroku.hateblo.jp

 

なお、非アクティブなメールボックスのメールデータを復元する場合、以下の公開情報にある手順で、他のアクティブなメールボックスにデータをコピー(マージ)することで復元することができます。

 

docs.microsoft.com

 

ただ、公開情報の内容が非常にわかりにくい内容でしたので、以下に手順をご紹介したいと思います。

 

 

 

1. New-MailboxRestoreRequest コマンドについて 

ユーザーアカウントが完全削除されてから 30 日以内で削除済みメールボックスが存在している状態、または非アクティブなメールボックスとして存在している場合、New-MailboxRestoreRequest コマンドで削除されたメールボックスのアイテムを、別なアクティブなメールボックスにコピーする事が可能です。 

 

  

New-MailboxRestoreRequest コマンドによる復元は、"Get-Mailbox -SoftDeletedMailbox" コマンドで出力できるメールボックスをコピー元として復元することが可能です。 

  

ご留意点

  •  予定表アイテム (予定表フォルダー) など、任意のフォルダー 、アイテムのみに絞り込むことはできません。 
  • 事前にコピー先となるアクティブなメールボックスを準備する必要があります。 
  • 自動拡張アーカイブが行われている場合、アーカイブメールボックス領域のアイテムを復元することはできません。 

 

 

 

2. 削除済みのメールボックスのデータをコピーする手順について 

※ 受信トレイのアイテムは受信トレイに、送信済みアイテムフォルダーのアイテムは送信済みアイテムフォルダーにそれぞれコピーされます。 

  

1. Windows PowerShell より Exchange Online へ接続する (事前準備) 

 

PowerShell より Exchange Online へ接続します。

  

it-bibouroku.hateblo.jp

 

  

2. 非アクティブなメールボックスのアイテム コピーについて 

非アクティブなメールボックス (コピー元) の Guid、非アクティブなメールボックスのアイテムを移すメールボックス (コピー先) の Guid を利用しメールボックスのアイテムをコピーする流れとなります。 

Guid を元にするため、コピー元とコピー先でメール アドレスが重複していても問題なくコピーが可能です。 

※ Guid は同一のメールアドレスを持つメールボックスの場合でも、それぞれ別に割り当てられております。 

  

 

 

3. 事前に以下のコマンドにより、必要な Guid を確認します。 

3-1. 非アクティブなメールボックスの Guid を確認する 

[構文] 

Get-Mailbox -SoftDeletedMailbox <非アクティブなメールボックス> | Select DisplayName,Guid 

  

[実行例] 

Get-Mailbox -SoftDeletedMailbox UserA@contoso.com | Select DisplayName,Guid 

  

※ SoftDeletedMailbox にて削除済みメールボックスを指定しています。 

  

[出力例] 

DisplayName   Guid 

---------------  ----- 

UserA             del2a82-7365-49a4-9144-dfb3ee87***e 

 

  

3-2. コピー先のメールボックスの Guid を確認する 

[構文] 

Get-Mailbox -Identity <コピー先のメールボックス> | Select DisplayName,Guid 

  

[実行例] 

Get-Mailbox -Identity UserB@contoso.com | Select DisplayName,Guid 

  

<出力例> 

DisplayName   Guid 

---------------  ----- 

UserB             Act2a82-7365-49a4-9144-dfb3ee87***e 

 

 

  

 4. メールアイテムをコピーする 

取得した情報を元に、非アクティブなメールボックスからアクティブなメールボックスにアイテムのコピーを行います。 

  

 4-1. プライマリメールボックス内アイテムのコピーを行う 

[構文] 

New-MailboxRestoreRequest -TargetMailbox "<コピー先の Guid>" -SourceMailbox "<コピー元の Guid>" -AllowLegacyDNMismatch -BadItemLimit 100 -AcceptLargeDataLoss 

  

[実行例] 

New-MailboxRestoreRequest -TargetMailbox "Act2a82-7365-49a4-9144-dfb3ee87***e" -SourceMailbox "del2a82-7365-49a4-9144-dfb3ee87***e" -AllowLegacyDNMismatch -BadItemLimit 100 -AcceptLargeDataLoss 

  

  

 

4-2. アーカイブメールボックス内アイテムのコピーを行う 

※ インプレースアーカイブを有効化しており、アーカイブ メールボックス領域にアイテムがある場合、必要に応じて実行してください。 

※ コピー先メールボックスアーカイブメールボックスが有効となっている必要があります。 

  

[構文] 

New-MailboxRestoreRequest -TargetMailbox "<コピー先の Guid>" -SourceMailbox "<コピー元の Guid>" -AllowLegacyDNMismatch -TargetIsArchive -SourceIsArchive -BadItemLimit 100 -AcceptLargeDataLoss 

  

[実行例] 

New-MailboxRestoreRequest -TargetMailbox "Act2a82-7365-49a4-9144-dfb3ee87***e" -SourceMailbox "del2a82-7365-49a4-9144-dfb3ee87***e" -AllowLegacyDNMismatch -TargetIsArchive -SourceIsArchive -BadItemLimit 100 -AcceptLargeDataLoss 

  

上記コマンドを実行することにより、メールボックスの [移動要求] が作成され、コピーが実行されます。 

データの移動が完了したかどうか、以下のコマンドにて確認が可能です。 

  

[構文] 

Get-MailboxRestoreRequest | Select Name,TargetMailbox,Status,WhenCreated 

  

表示された実行結果の [Status] が [Completed] になりましたら、データのコピーが完了しております。データ量が多い場合、コピーにお時間を要する場合があります。