
削除されたユーザーおよびメールボックスは 30 日間保持されるため、削除されてから 30 日以内の場合には削除済みユーザーから復元し、ライセンスを再付与することで、削除したメールボックスを復元することが可能となります。
30日以内であれば、復元しライセンスを付与することでメールデータもそのまま利用が可能です。
また、Powershell にて、New-MailboxRestoreRequest のコマンドレットをご利用いただくことで、削除したメールボックス内のデータを他のアクティブなメールボックスにコピーすることが可能です。
削除されてから 30 日以上経過している場合、メールボックスはサーバー上から完全に削除されているため、復元やコピーはできません。
なお、アクティブなメールボックスのデータを他のアクティブなメールボックスにコピーすることはできません。
以下に手順をご紹介します。
削除されたメールボックスのデータをコピーする手順について
受信トレイのアイテムは受信トレイに、送信済みアイテムフォルダーのアイテムは送信済みアイテムフォルダーにそれぞれコピーされます。
以下の記事の手順にて、Exchange Online に接続してから実行してください。
削除済みメールボックスのアイテム コピーについて
削除済みメールボックス (コピー元) の Guid、削除済みメールボックスのアイテムを移すメールボックス (コピー先) の Guid を利用しメールボックスのアイテムをコピーする流れとなります。
Guid を元にするため、コピー元とコピー先でメール アドレスが重複していても問題なくコピーが可能です。
事前に以下のコマンドにより、必要な Guid を確認します。
削除済みのユーザーのメールボックスのGuid を確認するコマンド
[構文]
Get-Mailbox -SoftDeletedMailbox "削除されたメールボックスのメール アドレス" | Select DisplayName,Guid
[実行例]
Get-Mailbox -SoftDeletedMailbox UserA@contoso.com | Select DisplayName,Guid
※ SoftDeletedMailbox にて削除済みメールボックスを指定しています。
<出力例>
DisplayName Guid
----------- ----
UserA del2a82-7365-49a4-9144-dfb3ee87***e
メール アイテム コピー先のメールボックスのGuid を確認するコマンド
[構文]
Get-Mailbox "コピー先のメールボックスのメール アドレス" | Select DisplayName,Guid
[実行例]
Get-Mailbox UserA@contoso.com | Select DisplayName,Guid
<出力例>
DisplayName Guid
----------- ----
UserA Act2a82-7365-49a4-9144-dfb3ee87***e
メール アイテムをコピーする
取得した情報を元に、削除済みのメールボックスからアクティブなメールボックスにアイテムのコピーを行うコマンドを実行します。
メールボックス内アイテムのコピーを行う
[構文]
New-MailboxRestoreRequest -TargetMailbox "コピー先の Guid" -SourceMailbox "コピー元の Guid" -AllowLegacyDNMismatch
[実行例]
New-MailboxRestoreRequest -TargetMailbox "Act2a82-7365-49a4-9144-dfb3ee87***e" -SourceMailbox "del2a82-7365-49a4-9144-dfb3ee87***e" -AllowLegacyDNMismatch
アーカイブメールボックス内アイテムのコピーを行う
インプレースアーカイブを有効化しており、アーカイブ メールボックス領域にアイテムがある場合、必要に応じて実行してください。
※ コピー先メールボックスのアーカイブ メールボックスが有効となっている必要があります。
[実行例]
New-MailboxRestoreRequest -TargetMailbox "Act2a82-7365-49a4-9144-dfb3ee87***e" -SourceMailbox "del2a82-7365-49a4-9144-dfb3ee87***e" -AllowLegacyDNMismatch -TargetIsArchive -SourceIsArchive
上記コマンドを実行することにより、メールボックスの [移動要求] が作成され、コピーが実行されます。
データの移動が完了したかどうか、以下のコマンドにて確認が可能です。
[構文]
Get-MailboxRestoreRequest | Select Name,TargetMailbox,Status,WhenCreated
表示された実行結果の [Status] が [Completed] になったら、データのコピーが完了してます。データ量が多い場合、コピーに時間を要する場合があります。
また、処理に要する時間につきまして、1 GBにつき 1 時間 を目安としてください。