今回は受信コネクタについてご紹介していきたいと思います。
受信コネクタを利用する目的としては、主に以下のシナリオが想定されます。
受信コネクタを作成する場合、送信元をプルダウンにて、「組織のメールサーバー」、または、「パートナー組織」を指定し、送信先を「Office365」とします。
概念としては、「組織のメールサーバー」はオンプレミスなど固有で保持しているサーバーの場合、「パートナー組織」は他クラウドサービスなど共有しているサーバーですが、受信コネクタの場合は、明確にそれぞれの動作が異なります。
まず、「パートナー組織」は上記のシナリオの1.と2.の場合に利用します。
「組織のメールサーバー」は、3.と4.の場合に利用します。
TLSの暗号化の強制や指定したIPアドレスから送信されたメールを拒否する設定については、ドメイン単位での指定やIPアドレスの指定が可能です。
SMTPリレーの構成やIPスロットリングの回避については、IPアドレス単位での指定や証明書での指定が可能です。
「組織のメールサーバー」を指定する場合の注意点として、保有している固定IPアドレスである必要があります。
補足
IPアドレスが他クラウドサービスなど共有しているパブリックIPアドレスの場合、受信コネクタを設定したOffice365テナント (例 : テナント A) と同一の Exchange Online Protection (EOP) のフォレストに存在する別Office365テナント (例 : テナント B) 宛に、受信コネクタに指定したパブリック IP アドレス (該当の他クラウドサービスなど) からメールが送信された場合、該当メールはテナント B ではなくテナント A へ引き込まれる可能性があります。
テナント A に引き込まれたメールは、テナント A 内に宛先が存在しないため、最終的にはメールアドレスを参照してテナント B へ配送されますが、本来経由すべきではないテナント A を経由するため、テナント A で取得したメッセージ追跡に記録が残ったり、配信に遅延が生じる可能性があるので、共有しているパブリックIPアドレスは登録しないでください。
また、「組織のメールサーバー」で受信コネクタを作成する場合、[内部の Exchange メールのヘッダーを保持する (推奨)] という設定がありますが、これは、オンプレミスのサーバーが Exchange 2010 以降の場合、この項目にチェックを付けることで、メッセージがコネクタを通過するときも、内部 Exchange 電子メールヘッダーを保持する動作となります。
なお、Exchange Server 以外のオンプレミス環境を利用している場合は、[内部の Exchange メールのヘッダーを保持する] のオンオフに関わらず、独自のメールヘッダーは保持される動作となりますので、チェックを入れても入れなくてもどちらでもいいです。
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