今回は、Office アプリにて編集したファイルを保存する際に OneDrive や SharePoint などクラウド ストレージを表示させないようにする方法をご紹介したいと思います。
まずは、Officeアプリの保存先について触れておきます。
- Office アプリ (Word、Excel、PowerPoint) の保存場所について
- Office アプリの保存先に OneDrive や SharePoint などクラウド ストレージを表示させないようにする方法
Office アプリ (Word、Excel、PowerPoint) の保存場所について
Word、Excel、PowerPoint のファイルを作成した場合、保存先はユーザーにて任意の場所を選択することができます。
ファイルの保存先
- PC 内の任意の場所
- OneDrive (個人向け)
- OneDrive for Business
- Sharepoint Online
サードパーティー製のクラウドストレージ
また、Word、Excel 、PowerPoint についてはファイルを回復する機能があります。
対象のアプリを開き、[ファイル] - [オプション] - [保存] の [自動回復ファイルの場所] に記載されているパスに、一時ファイルが保存されます。
Office アプリの保存先に OneDrive や SharePoint などクラウド ストレージを表示させないようにする方法
設定方法の選択肢は 3 点ありますので、お好みの方法にてお試しください。
なお、設定後 [ファイル] をクリックした時点では OneDrive for Business、SharePoint Online は表示されたままとなりますが、[名前をつけて保存] 時には表示されません。
グループ ポリシーによる設定方法
[ユーザーの構成] - [管理用テンプレート] - [Microsoft Office 2016] - [その他] -
[ファイルを開くときまたはファイルを保存するときにファイルの場所を非表示にする] にて
[Backstage ビューの Microsoft クラウドベースのファイルの場所を非表示にする] を選択し、ウィンドウ右側の [ヘルプ] の記載内容に従い、[オプション] 内の数を足し算した数値を設定します。
たとえば、この PC のみを表示させたい場合、1+8+16+32+64+128 = 249 となり、[オンライン ストレージフィルターの値] に249 と入力することで [このPC] 以外の保存先が表示されない動作となります。
レジストリによる設定方法
キー : HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Common\Internet
名前 : OnlineStorage
種類 : DWORD
値 : 3
※上記の入力値 "3" は、個人向け OneDrive も含めすべてのクラウド ストレージが非表示となります。
設定する値の説明
0 = 無効 (すべての場所が表示されます)
1 = 個人向け OneDrive を非表示にします
2 = OneDrive for Business と SharePoint Online を非表示にします
3 = Microsoft のオンライン機能をすべて非表示にします
Microsoft 365 のクラウド ポリシーでの設定方法
クラウド ポリシー サービスを使用して、任意のセキュリティ グループに所属しているユーザーに対し、Office クライアントから OneDrive for Business や SharePoint Online へのアクセスを制御することが可能です。
※ Microsoft 365 Apps for business ではサポートされていない機能です。
以下手順の実施前に "Microsoft 365 管理センター" にてセキュリティ グループを作成し (元々存在するグループでも可能です)、 OneDrive などを非表示にしたいユーザーを当該グループに追加しておきます。
<操作手順>
1. 管理者アカウントで "Microsoft 365 Apps 管理センター" (https://config.office.com/) にサインインします。
2. 画面左メニューから [カスタマイズ] - [ポリシー管理] をクリックします。
3. [作成] ボタンまたは [+ 作成] をクリックします。
4. ポリシーを作成する画面に遷移しますので、任意のポリシー名を入力します。
5. [種類を選択する] をクリックし、[このポリシー構成が適用されるユーザー] にチェックします。
6. [グループを選択する] をクリックして、ポリシーを適用するグループを選択します。
7. [ポリシーを構成する] をクリックして、検索欄に "Backstage ビューの Microsoft クラウドベースのファイルの場所を非表示にする" と入力し、検索結果から該当ポリシーをクリックします。
8. [未構成] のプルダウンをクリックし、[有効] にします。
[表示を増やす] をクリックし、値の入力方法を表示させます。
上記を展開して表示された数値の入力方法に従い、[追加設定] の [オンラインストレージ フィルターの値] を入力します。
※SharePoint Online、OneDrive for Business、OneDrive Personal のすべてを非表示にする場合は 値に "3" を入力します。
※個人用 OneDrive (OneDrive Personal) を利用する場合は [SharePoint Online と OneDrive for Business を非表示にする] (値は "2" です) をご選択ください。
9. [作成] をクリックし、クラウドポリシー作成は完了となります。
設定後、反映までに 24 時間ほど要する場合があります。