他のメールボックスへアクセスする権限として[フルアクセス許可]がありますが、メールの閲覧のみをさせたい場合に、フォルダのアクセス権を設定する方法があります。
フォルダのアクセス権については、特定のフォルダのメールだけ閲覧させるようにすることもできます。
メールボックスを閲覧のみに設定する
メールボックス内の各フォルダーに対してはアクセス権の設定が行えますので、対象の各フォルダーに運用を想定している権限(参照権限など)と当該のユーザーを付与することが可能です。
なお、この方法で設定を行われた場合、管理画面よりメールボックスのメンバーとしてユーザーを登録した時と異なり、ユーザーの Outlook クライアント上にメールボックスは自動表示が行われないため、各ユーザーにて参照するメールボックスの追加を行う必要があります。
また、対象のメールボックスの [フル アクセス許可] 権限に対象ユーザーが設定されていたら、この権限が優先されます。
そのため、[フル アクセス許可] の権限を確認いただき、対象ユーザーが設定されておりましたら削除してください。
以下に、メールボックスのフォルダーに対するアクセス権の設定方法と、ユーザーがメールボックスを表示する手順についてご紹介します。
メールボックスのアクセス権限設定手順について
Outlook on the web からメールボックスへの参照権を付与する方法
- メールメールボックスのフルアクセス権が付与されている管理者、もしくはユーザーから Outlook on the web (旧OWA) へサインインします。
- Outlook on the webの画面上部のナビゲーション バーで、自分の名前 (プロフィール写真) をクリックします。
- [他のメールボックスを開く]をクリックし、メールボックスのアドレスを入力します。
- 新しいタブにて、該当のメールボックスが表示されます。
- 画面左ペインに表示されてる、フォルダー名を右クリックし [アクセス許可] をクリックします。
- 選択したフォルダーの [フォルダーのアクセス許可] 画面が表示されます。
- [+]をクリックし参照権限を付与したいユーザーを選択します。
- アクセス許可の項目へ該当のユーザーのアドレスを入力しユーザーが表示されましたら、該当ユーザーをクリックします。
- [アクセス許可レベル]のプルダウンメニューから [参照者] を選択します。
- 設定項目に相違がなければ [OK] をクリックします。
- 上記手順の 5 から 11 の手順で [受信トレイ] [送信済みアイテム] など各フォルダーを順に選択して、アクセス権限([参照者])を設定します。
Outlook クライアントを利用する方法
Outlook クライアントを利用することで、メールボックスのフォルダーへの権限を付与することが可能です。
権限付与の際に、メールボックスへの [フルアクセス許可] を持ったユーザーアカウントを利用しますので、事前にご用意ください。
- メールボックスへのフルアクセス許可を保有しているユーザーアカウントで Outlook クライアントを起動します。
- ルートフォルダーへの権限を付与するため、左ペインに表示されているメールボックスの [名称] を右クリックします。
- 右クリックメニューから [データ ファイルのプロパティ] を選択します。
- [アクセス権]タブ を選択します。
- [追加]をクリックし、権限を付与するユーザーを選択して [OK] をクリックします。
- [アクセス許可レベル]をプルダウンより [参照者] に変更し、画面下の [OK] をクリックします。
- 項番 3 ~ 6 の手順で、閲覧させたい [受信トレイ] [送信済みアイテム] など各フォルダーを順に選択して、アクセス権限([参照者])を設定します。
なお、受信トレイ内のアイテムは見せずに、受信トレイ内の特定のサブフォルダ内のアイテムを見せたい場合は、受信トレイのアクセス許可レベルを [なし] の状態で、[その他(H)] の項目の [フォルダーの表示] にチェックを入れることで実現が可能です。
補足事項:設定可能なアクセス権限の種類
アクセス権限の種類
- Owner :所有者 : 共有フォルダー内のすべてのアイテムの作成、参照、変更、および削除。所有者であるユーザーは他のユーザーのフォルダーに対するアクセス権を変更できます。
- PublishingEditor : 発行編集者 : すべてのアイテムの作成、参照、変更、削除、およびサブフォルダーの作成。
- Editor : 編集者 : すべてのアイテムの作成、参照、変更、削除
- PublishingAuthor : 発行作成者 : アイテムの作成と参照、サブフォルダーの作成、および自身が作成したアイテムの変更と削除。
- Author :作成者 : アイテムの作成と参照、および自身が作成したアイテムの変更と削除。
- NonEditingAuthor : 非編集作成者 : アイテムの作成と参照、および自身が作成したアイテムの削除。
- Contributor :寄稿者(共同担当者): アイテムの作成のみ。
- Reviewer : 参照者(レビュー担当者): アイテムの参照のみ。
- LimitedDetails : 空き時間情報、件名、場所 : 予定表共有の場合のみ、予定表イベントの空き時間情報、件名、および場所の参照。
- AvailabilityOnly: 空き時間情報 : 予定表共有の場合のみ、予定表イベントの空き時間情報の参照。
- None :なし: 実行できる操作なし。ユーザーはアクセス権リストに残りますが、アクセス権はなく、フォルダーは開くことができません。
当該フォルダーの表示方法
フォルダ毎のアクセス許可を与えられたユーザーは、フルアクセス許可を持つユーザーとは異なり手動で対象メールボックスを表示するよう追加を行う必要がございます。
以下に Outlook on the Web および Outlook クライアントでの追加手順についてご案内いたします。
Outlook on the Web の場合
- 当該メールボックス中フォルダのアクセス許可のあるユーザー アカウントにてOutlook on the Web にアクセスします。
- Outlook on the Webを表示し、左メニューのフォルダーより[その他] をクリックします。
- [受信トレイ]フォルダーの上に表示される、ユーザー名を右クリックし[共有フォルダーの追加...] を左クリックします。
- アクセス権のあるメールボックス名を入力し、[追加]をクリックします。
- 対象ユーザーのOutlook on the Web 左メニューにフォルダーとして、他のメールボックスが表示されることを確認します。
Outlook クライアントの場合
- 当該メールボックス中フォルダのアクセス許可のあるユーザー アカウントにてOutlook クライアント を起動します。
- [ファイル]タブをクリックし、[情報] - [アカウント設定] - [アカウント設定(A)] の順にクリックします。
- [メール]タブより、該当のユーザー メールアドレスを選択し、[変更(A)] - [詳細設定(M)] - [詳細設定] タブの順にクリックします。
- [メールボックス]項目内、[追加(D)] をクリックし、該当の他のメールボックスのメール アドレスを入力し [OK] をクリックします。
- [次の追加のメールボックスを開きます(O) :]の項目に追加した該当のたのメールボックスが表示されていることを確認し、[適用] - [OK]の順にクリックします。
- 該当のメールボックスのフォルダーが追加されたことを確認します。
※ Outlook 2016 の手順となっておりますので、Outlook クライアントのバージョンによっては項目やメニューの表示が異なる場合あります。