メールボックスのメールアイテムをすべて削除する機能について、以前は Powershell にて、Search-Mailbox のコマンドレットを実行することで可能でしたが、2020 年 7 月 1 日は廃止されています。
そのため、メールボックスのメールアイテムをすべて削除する場合、アイテム保持ポリシーの機能にて、自動削除するポリシーを作成し適用する方法、または、Outlook クライアントや Outlook on the web から手動で削除する方法となります。
アイテム保持ポリシーによる自動削除は、ポリシーに指定した保持期間が経過したアイテムを削除する方法となり、指定できる保持期間は最短で 1 日となっております。
そのため、自動削除のポリシーにて、保持期間を 1 日として指定しメールボックスに割り当てることで、管理フォルダアシスタントが動作したタイミングで、メールアイテムの場合は、受信日を起算日として 1 日経過したアイテム、予定表アイテムの場合は、予定の終了日を起算日として 1 日経過したアイテムを自動的に削除することができます。
管理フォルダアシスタントは、Powershell にて、即時実行が可能です。
アイテム保持ポリシーで自動削除するポリシーの作成手順について以下にご紹介したいと思います。
アイテム保持ポリシーにて削除ポリシーを作成する手順
- 管理者にて、Microsoft365ポータル画面へサインインします。
- Microsoft365 管理センターを開き、画面左ペインの [管理センター] - [コンプライアンス] をクリックします。
- コンプライアンス センターにて、[情報ガバナンス] をクリックし、上部の [アイテム保持ポリシー] をクリックします。
- [+ 新しいアイテム保持ポリシー] をクリックします。
- [名前] [説明] を任意で入力し、[次へ] をクリックします。
- [作成するアイテム保持ポリシーの種類を選択する] の画面にて、[静的] を選択し、[次へ] をクリックします。
- 7. [ポリシーを適用する場所の選択] 画面にて、[Exchange メール] のみ有効にします。
- 8. [Exchange メール] の [編集] をクリックし、対象となるユーザーを選択し、[完了] をクリックします。
※ 一覧に該当のユーザーが存在しない場合は、検索バーに該当のユーザーの表示名、メールアドレスを入力しエンターキーを押して検索します。
※ 全ユーザーを指定する場合は、[編集] をクリックせずにそのまま進めることで可能ですが、ユーザーメールボックス以外の共有メールボックスやリソースメールボックスも対象となることをご留意ください。
- 9. [コンテンツを保持するか、削除するか、または両方を行うかを決定します] 画面にて、[特定の期間が経過したときにのみアイテムを削除] を選択した状態でプルダウンメニューより削除されるまでの期間を 1 日で指定し、[次へ] をクリックします。
※ [カスタム] を選択することで、月単位や日単位での指定も可能です。
※メールメッセージの場合、[コンテンツを削除する基準] を [アイテムの作成日時] [アイテムの最終更新日時] を選択したかどうかに関係なく、メールの作成日時に基づいて削除されます。
- 10. [確認と完了] 画面にて、設定に問題ないことを確認後 [送信] をクリックします。
- 11. [完了] をクリックします。
なお、手動での削除については、以下の公開情報をご参照ください。
また、[コンテンツの検索] で検索したアイテムを New-ComplianceSearchAction のコマンドレットで削除する方法もありますが、New-ComplianceSearchAction のコマンドレットで削除できるアイテム数の上限が 10 アイテムであるため、メールボックスのアイテムをすべて削除するなど多数のアイテムを削除する場合には、上述した方法よりも非効率だと思います。
※ 例としてメールボックスのアイテムが 100 アイテムある場合は、10 回コマンドレットを実行する必要があります。
なお、メールボックスを削除して、再作成することでもメールデータを削除することは可能ですが、メールボックスを削除した場合、アカウント自体が削除されるため、Exchange Online 以外のデータについてもすべて削除されることをご留意ください。
補足としてメールボックスのみを削除する場合、Exchange Online のライセンスのみを剥奪して 30 日経過することで、メールボックスが完全削除されるため、再度、Exchange Online のライセンスを付与することでアカウントはそのままで新規でメールボックスを作成することができます。
しかしながら、ライセンスを剥奪してから 30 日経過を待つ必要があり、メールボックスのみを完全削除する機能が無いことから、即時にすべてのメールデータを削除することはできません。