既定のアイテム保持ポリシーでは、[Recoverable Items 14 days move to archive]の保持タグにより、回復可能なアイテム領域に格納されたアイテムが14日経過するとアーカイブメールボックスに移動する動作です。
アーカイブメールボックスに移動する日数を変更したい場合、[Recoverable Items 14 days move to archive]の期間をExchange 管理センターの管理画面から変更することができません。
また、回復可能なアイテム領域に対する保持タグを Exchange 管理センターから作成することができません。
なお、以下にご案内するPowerShell コマンドレットを利用することで[Recoverable Items 14 days move to archive]の期間の変更や回復可能なアイテム領域の保持タグを作成することができます。
以下にコマンドレットをご紹介します。
変更コマンド
既定で用意されている [Recoverable Items 14 days move to archive] の設定日数を変更するには、以下のコマンドレットを実行ください。
[構文]
Set-RetentionPolicyTag "Recorverble items 14 days move to archive" -AgeLimitForRetention "設定する日数"
[実行例]
Set-RetentionPolicyTag "Recorverble items 14 days move to archive" -AgeLimitForRetention 30
※ 上記コマンドレットを実行いたしますと、[Recorverble items 14 days move to archive] タグのアーカイブメールボックスへ移動するまでの日数を 30 日に変更します。
新規作成コマンド
"Recoverable 1 month move toArchive" という名前で、[回復可能なアイテム] フォルダーに移動されたアイテムを、30 日経過後にアーカイブメールボックスへ移動する保持タグが作成されます。
[構文]
New-RetentionPolicyTag "<作成する保持タグ名>" -Type RecoverableItems -AgeLimitForRetention "移動するまでの日数" -RetentionAction MoveToArchive
[実行例]
New-RetentionPolicyTag "1 month move to Archive" -Type RecoverableItems -AgeLimitForRetention 30 -RetentionAction MoveToArchive
なお、設定可能な日数につきましては、1.00:00:00 ~ 24855.03:14:07 (1 日から 24855 日 3 時間 14 分 07 秒) となります。
また、補足ですが、Exchange 管理センターからの操作では「タスク」フォルダーに対しても、既定タグの作成は行えない動作です。
そのため、以下の PowerShell コマンドレットにて「タスク」 フォルダーに対する、既定タグを作成してください。
PowerShell コマンドレットによる RPT タグの作成
[構文]
New-RetentionPolicyTag -Name "保持タグの名前" -Type "保持タグの種類(適用フォルダーの種類)" -RetentionAction "保持アクション" -AgeLimitForRetention "日数"
[実行例]
New-RetentionPolicyTag -Name "Tasks" -Type Tasks -RetentionAction DeleteAndAllowRecovery -AgeLimitForRetention "365"
※ RetentionAction は以下のいずれかを選択できます。
DeleteAndAllowRecovery : 削除して回復を許可する
PermanentlyDelete : 完全に削除する
※既定タグではアーカイブに移動するアクションは指定できません。