社畜の所業

社畜の所業

Microsoft365の機能について解説をしていきたいと思います。このブログの情報をご活用いただければ幸いです。たまに他の情報も取り入れていきたいと思います。

※このサイトはPR記事を含みます。

【Office365参考書】回復可能なアイテム領域にあるメールを復元するには?

f:id:it-bibouroku:20200305151118j:plain

削除済みアイテムから削除したメールアイテムは回復可能なアイテム領域に移動し、既定で14日間保持されます。

 

 

it-bibouroku.hateblo.jp

 

 

Restore-RecoverableItems コマンドレットにて、メールボックスから削除され、回復可能なアイテム領域のアイテムを元々存在していたフォルダーに復元を行うことが可能です。

ただし、削除されてから 14 日以上経過し、回復可能なアイテム領域にないアイテムは復元が出来ませんのでご留意ください。

  

以下に手順をご案内いたします。 

  

 

1-1. 事前準備 : 必要な権限の付与を行う 

事前に本機能をご利用いただくにあたり、コマンドを実行するユーザーに対して [管理者の役割 [Mailbox Import Export] 権限の付与が必要となります。 

  

 Mailbox Import Export の役割の付与 

  1. 管理者にて、Microsoft 365管理センターにサインインし、[管理センター] - [Exchange] の順にクリックします。 
  2. Exchange管理センターにて、[アクセス許可] - [管理者の役割]をクリックします。 
  3. [+] (追加)ボタンをクリックし[名前に任意の名前を入力します。 
  4. [役割:]にて、[+]ボタン (追加より、"Mailbox Import Export" を追加し [OK] をクリックします。 
  5. [メンバー:]にて、[+]ボタン (追加より、役割を付与するユーザーを追加し [OK] をクリックします。 
  6. 画面下の[保存をクリックします。 

 

  

1-2. 補足 : 現在のメールボックスのアイテム数を確認する 

復元が完了したか判断を行う目的として、事前に Get-MailboxStatistics コマンドレットを実行して、メールボックス内のアイテム数を確認します。 

※ 以下の手順については、各フォルダーごとのアイテム数ではなくメールボックス全体のアイテム数の確認となります。 

  

コマンドの実行前に、Windows PowerShell  Exchange Online に接続します。 

 

it-bibouroku.hateblo.jp

 

  

[構文] 

Get-Mailbox -ResultSize Unlimited | Get-MailboxStatistics | Select DisplayName,ItemCount | Export-Csv -NoTypeInformation -Encoding UTF8 "<保存先パス\ファイル名.csv>" 

  

[実行例] 

Get-Mailbox -ResultSize Unlimited | Get-MailboxStatistics | Select DisplayName,ItemCount | Export-Csv -NoTypeInformation -Encoding UTF8 "C:\Temp\MailboxItemCountA.csv

  

※ 実行例は C ドライブの Temp フォルダーに情報が出力されます。適宜ファイル名の変更をお願い申し上げます。 

 

[実行結果について] 

DisplayName : メールボックスの表示名 

ItemCount : メールボックス内のアイテム数 

復元を行った際にはあらためてコマンドを実行してファイルの出力を行い、実施前後のファイルの比較を行い、復元されたことで ItemCount が上昇することを確認します。 

  

 

1-3. Restore-RecoverableItems コマンドによる復元について 

Restore-RecoverableItems コマンドを実行することで、削除される前に存在していたフォルダーにアイテムの復元が可能です。 

なお、アイテムの存在していたフォルダーが存在しない場合、メールアイテムの場合には受信トレイフォルダーなど、既定のフォルダーへ復元が行われます 。

なお、[FilterStartTime]  [FilterEndTime] には削除日が含まれるように指定してください。 

  .

  

 

 2. 特定メールボックスの RecoverableItems フォルダー内のアイテムを復元する 

[構文] 

Restore-RecoverableItems <対象メールボックス> -SourceFolder RecoverableItems -FilterStartTime "<開始日>" -FilterEndTime "<終了日>" -ResultSize Unlimited 

  

[実行例] 

Restore-RecoverableItems User01@contoso.com -SourceFolder RecoverableItems -FilterStartTime "1/1/2016" -FilterEndTime "11/1/2020" -ResultSize Unlimited  

  

 3. 組織内の全メールボックスに対して RecoverableItems フォルダー内のアイテムを復元する 

[構文] 

Get-Mailbox -ResultSize Unlimited | Foreach {Restore-RecoverableItems -Identity $_.PrimarySmtpAddress -SourceFolder RecoverableItems -FilterStartTime "<開始日>" -FilterEndTime "<終了日>" -ResultSize Unlimited ; Start-Sleep -m 500} 

  

[実行例] 

Get-Mailbox -ResultSize Unlimited | Foreach {Restore-RecoverableItems -Identity $_.PrimarySmtpAddress -SourceFolder RecoverableItems -FilterStartTime "1/1/2016" -FilterEndTime "11/1/2020" -ResultSize Unlimited ; Start-Sleep -m 500} 

※ すべてのメールボックスを対象として実行する際には、対象メールボックス数や、復元対象のアイテム数によって時間を要する可能性がありますので、ご留意ください。

  

 

docs.microsoft.com