【Microsoft365参考書】宛先がLegacyExchangeDNに置き換わりメールが送信できない

間違いなく宛先に送信したのに返された配信不能通知を見ると、宛先が以下のようなおかしなアドレスになっている場合があります。

IMCEAEX-_O=CONTOSO_ou=first+20administrative+20group_cn=Recipients_cn=<ユーザー名>@domain.local

Exchange Online では、組織内部でのメール送受信の場合、名前解決には SMTP アドレスではなく、LegacyExchangeDN (X.500) を参照してます。

先ほどのおかしなアドレスは内部的な情報であるLegacyExchangeDNが表示されています。

LegacyExchangeDN はアカウントに対して一意の値であるため、アカウントを削除して再作成した場合等、値が変更されます。

この場合、同一のメールアドレスに送付した履歴があると、Outlook や Outlook On the web に削除前のアカウントがキャッシュされたもので送付することで、この組織内部でのメール送受信の際に参照する LegacyExchangeDN の値が異なる結果となります。

このため、結果としてシステム側では宛先を見つけることができず、メールの送信が行えない事象が発生する可能性があります。

過去メールなどの宛先をそのまま返信編集を行った際に、宛先の [LegacyExchangeDN] が変更されている場合にはメール送信が正常におこなえません。

また、Outlook や Outlook On the webのニックネームキャッシュが破損していることで事象が発生する場合もあります。

まずは、ニックネームキャッシュを削除することで事象が改善するか確認してみましょう。

Outlook および、Outlook on the web のどちらもメールの新規作成画面で宛先の欄に該当のアドレスの頭文字を入力すると、ニックネームキャッシュによるアドレスの一覧が表示されますので、右の[×]をクリックすることで削除ができます。

1. [新しい電子メール] をクリックし、新規メールの作成ウィンドウを起動します。

2. [宛先] に該当の送信先メールアドレスの最初の数文字を入力します。

3. 該当メールアドレスが候補として表示される場合は、該当メールアドレスにマウスオーバーし、メールアドレスの右に表示される [×] をクリックして削除します。

1. [新規作成] をクリックします。

2. [宛先] に該当の送信先メールアドレスの最初の数文字を入力します。

ニックネームキャッシュを削除しても改善されないようであれば、以下の方法で修正した値をX.500アドレスに登録することで改善する可能性があるのでお試しください。

まず、内部アドレスの修正作業を行います。

<修正前>

<修正後>

/o=ExchangeLabs/ou=Exchange Administrative Group (FYDIBOHF23SPDLT)/cn=Recipients/cn=ae5555ce2fb24c7584611b78f9f7e802

この修正後の内部アドレス (LegacyExchangeDN) を参照し、該当のメールボックスのアドレスに X.500 アドレスとして LegacyExchangeDN を追記します。

管理者権限を付与したユーザーにて、Exchange 管理センター(https://admin.exchange.microsoft.com/) にサインインします。
左側メニューより[受信者] > [メールボックス] をクリックします。
一覧から対象メールボックスをダブルクリックします。
右側に展開された編集画面で、[メールアドレスの種類の管理] をクリックします。
[+ メールアドレスの種類を追加] をクリックします。
[SMTP] の下の[カスタムアドレスの種類を入力します] 項目のラジオボタンを選択し、[X500] と入力します。
[メールアドレス:] 下部の入力欄に、変換した[LegacyExchangeDN] の値を登録し、[OK] をクリックします。
[OK] をクリックします。