アイテム保持ポリシーにて、すべてのExchange メールボックスを対象として選択した場合、ユーザーメールボックス、共有メールボックス、リソースメールボックスが保持の対象となることを確認してます。
そのため、すべての共有メールボックスとリソースメールボックスに保持機能を利用するためのライセンスを付与しないとライセンス要件を満たしていない状態になります。
その場合、アダプティブスコープを利用することですべてのユーザーメールボックスのみを対象とすることができます。
アダプティブスコープとは、指定した条件に合致したメールボックスだけを対象とすることができる機能です。
ただし、アダプティブスコープを利用するためにはE5ライセンスを付与している必要がありますのでご注意ください。
以下に手順をご紹介したいと思います。
ユーザーメールボックスのみを対象とするアダプティブスコープの作成手順
1. 管理者アカウントにて Microsoft Purview へアクセスします。
2. [Roles & scopes] - [Adptive scopes] を選択します。
3. [+ スコープを作成] をクリックし、以下設定を行います。
- 名前、説明 : 任意
- 管理単位の割り当て : 完全なディレクトリ
- 種類 : ユーザー
- クエリ : [高度なクエリ ビルダー] をクリックし以下 OPATH クエリを指定
RecipientTypeDetails -eq "UserMailbox"
4. 設定内容を確認し [送信] をクリックします。
以上設定を行うことで、全ユーザーメールボックスがスコープのメンバーとして登録されます。
新たにスコープを作成した場合には、反映に 5 日ほど要する場合があります。
アダプティブスコープを指定しアイテム保持ポリシーを作成する手順
1. 管理者にて、Microsoft 365 サービスへサインインします。
2. Microsoft365 管理センターを開き、画面左ペインの [管理センター] - [コンプライアンス] をクリックします。
3. Microsoft Purview にて、[データライフサイクル管理] > [Microsoft 365] をクリックし、上部の [アイテム保持ポリシー] をクリックします。
4. 上部の [+ (新しいアイテム保持ポリシー)] をクリックします。
5. 名前と説明を任意で入力し、[次へ] をクリックします。
6. [アダプティブ] を選択し [次へ] をクリックします。
7. [+スコープの追加] をクリックし、作成したアダプティブスコープを指定し [追加] をクリックします。
8. [Exchange メールボックス] のみ "有効" の状態とし [次へ] をクリックします。
9. [特定の期間アイテムを保持] を選択し、"特定の期間アイテムを保持" の項目で保持期間を指定します。
※ 保持期間を無期限にする場合は、[アイテムを無期限に保持する] を選択します。
10. [保持期間の終了時] は "何もしない" を選択します。
※ "アイテムを自動的に削除する" を選択した場合は、指定した期間が経過すると通常領域のアイテムも削除されます。
11. [送信] > [完了] をクリックします。
上記設定をおこなうことですべてのユーザーメールボックスを保持の対象とすることができます。
なお、新規でユーザーメールボックスを作成した場合も自動的に保持の対象になります。
ドメイン単位でアイテム保持ポリシーの保持機能を有効にする場合は、以下の記事でご紹介しておりますので参考としてくださいね。