Outlookクライアントに外部テナントのユーザーの予定表を追加する場合、組織の共有の設定をおこない、自身のテナントに別テナントのユーザーをメール連絡先を登録する必要があります。
Outlook on the web の場合は、都度スケジュールアシスタントで空き時間などを参照することであれば可能であり、別テナントのユーザーの予定表を左ペインに追加し続けたい (表示されている状態を保持したい) 場合には Outlook クライアントで設定する必要があります。
Outlookクライアントの場合のみメール連絡先に登録する必要があります。
なお、組織の共有は、予定表のみを共有する機能であり、他のサービスへの影響はありません。
以下に設定手順についてご紹介したいと思います。
組織の共有の設定手順
1. 管理者ユーザーにて Exchange 管理センター (https://admin.exchange.microsoft.com) にアクセスします。
2. 画面左側の [組織] をクリックします。
3. [共有] - [組織の共有] の下の [新規作成] (+ アイコン) をクリックします。
4. [組織上の関係の新規作成] 画面が開きますので、以下の項目を入力します。
4-1. [* 関係の名前:] 入力欄に任意の関係の名前を入力します。
4-2. [* 共有するドメイン:] 入力欄に、共有する別の Microsoft 365 テナントのテナントドメインを入力します。
※ 例 : ****.onmicrosoft.com
4-3. [予定表の空き時間情報の共有を有効にする] チェックボックスをオンにします。
4-4. 共有可能な空き時間情報の上限の選択をします。
4-5. 空き時間情報を共有する対象の選択をして、[保存] をクリックします。
※ 空き時間情報を公開する組織内のメールボックスをメールが有効なセキュリティ グループで指定が可能です。
メール連絡先の登録
※Outlook on the webを利用する場合は、設定は不要です。
1. 管理者ユーザーにて Exchange 管理センター (https://admin.exchange.microsoft.com) にアクセスします。
2. [受信者] - [連絡先] を選択します。
3. [メール連絡先の追加] を選択します。
4. 別テナントの予定表情報を閲覧したいユーザーの情報を登録します。
テナント間での予定表の共有は、時間、件名、場所までの共有となりますが、組織の共有設定後は以下の方法で閲覧が可能です。
[組織の共有] に関してはアクセス (編集や削除) までは行えないものとなっており、最大で [空き時間、件名、場所] までの LimitedDetails の権限が上限となります。
Outlook クライアント、Outlook on the web それぞれ操作方法が異なりますので、手順をご紹介します。
予定表情報を閲覧する手順
予定表情報を Outlook クライアントにて閲覧するには、下記の手順を行います。
2. 予定表画面へ移動します。
3. [ホーム] タブの [予定表の管理] グループから [予定表の追加] - [アドレス帳から] を選択します。
4. グローバルアドレス一覧上から、作成したメール連絡先を追加します。
Outlook on the web でスケジュール アシスタント画面を使用します。
2. 予定表画面へアクセスします。
3. [新しいイベント] をクリックして、[スケジュール アシスタント] をクリックします。
4. [出席者] に、外部テナントのユーザーや会議室のアドレスを入力します。
また、上述した内容は組織設定ですが、個別での予定表共有設定もできます。なお、組織設定よりも個別設定の方が優先されます。
個別共有について
ユーザーから直接予定表の招待メールを送信することにより、外部テナントのユーザーであっても予定表情報を参照させることが可能です。
A テナントのユーザーが B テナントのユーザーの予定表を閲覧する場合、B テナントのユーザーから A テナントのユーザー宛てに予定表の招待メールを送信する必要があります。
個別共有では、詳細情報までの閲覧 (Reviewer 相当) が可能です。
個別共有については、ユーザーが自身の操作で、閲覧を許可する相手テナントのユーザーへ予定表の共有メールを送信することで、予定表情報の共有を行うことが可能になります。
また、個人用の連絡先情報につきましては、共有ルールの設定にて相手テナントのユーザーへ共有メールを送信し、連絡先情報を共有することも可能となります。
※ 既定では連絡先フォルダーの共有は、無効となっております。
なお、個別共有の共有ポリシーを設定により、外部への予定表の共有メールの送信を制限し、かつ、予定表の共有メール送信時に指定する予定表のアクセス許可レベルの上限を設定することも可能です。
また、[個別共有] による予定表の共有では、[組織の共有] に比べ、指定が可能なアクセス許可レベルの上限が一段階高く、予定表上のアイテムをダブルクリックし、詳細情報の確認が可能となります。
予定表の外部共有において、共有先にセキュリティグループのアドレスを指定すると想定の動作が得られない為、予定表の共有メールの宛先にはユーザーを単体で指定してください。
予定表の外部共有においては、Windows PowerShell など、Microsoft 365 管理者における対応は行えず、ユーザー同士で、予定表の共有メールの送受信を行う必要があります。
Microsoft 365 を取得した段階での共有ポリシーのデフォルト値は、下記のように設定されており、Exchange 組織に属するユーザーとの個別 (フェデレーション) 共有、インターネット予定表機能のいずれの機能の利用がすでに可能な状態になっています。
共有ルール
・すべてのユーザーと共有する (すべての Exchange 組織に登録されたドメインとの共有 : 有効)
・Anonymous (有効)
※ Microsoft365 組織以外の場合はドメインによる共有先のテナントを個別に指定は行えず、Anoymous (Microsoft365 以外の全ての組織) のみが指定可能です。
個別共有の設定手順
以下の設定を行うことで該当のユーザーは、外部テナントとの予定表共有を行うことが可能となります。
また、設定可能なアクセス許可レベルが Reviewer (すべての詳細情報を閲覧可能) 相当までとなり、編集などを行うアクセス権限は付与できません。
Anonymous と予定表の共有が可能な個別共有ポリシーを作成します。
1. 管理者にて Microsoft 365 管理にセンターにサインインし、[Exchange] より Exchange 管理センターにアクセスします。
2. [組織] > [共有] > [個別共有] タブをクリックします。
3. [+ 個別共有ポリシーを追加] をクリックします。
4. "ポリシー名" を入力して [次へ] をクリックします。
5. [+ ドメインを指定して情報を共有する] をクリックします。
6. "特定のドメインと共有" にチェックを入れ、右側のテキストボックスに "Anonymous" と入力します。
7. [予定表フォルダーを共有する] にチェックを入れ、許可するアクセス許可レベルを指定します。
予定表を共有する際に、以下で指定したアクセス許可レベルまでの情報で予定表の共有が可能です。
・時刻のみを含む予定表の空き時間情報 : 空き時間情報のみ閲覧可能
・時刻、件名、および場所を含む予定表の空き時間情報 : 空き時間情報、件名、場所、日時の閲覧が可能
・時間、件名、場所、およびタイトルを含む予定表の空き時間方法 : 本文や出席者など詳細情報までの閲覧が可能
8. [保存] をクリックします。
9. [次へ] > [次へ] > [完了] の順にクリックします。
作成した個別共有ポリシーをユーザーに割り当てます。
1. 管理者にて Microsoft 365 管理にセンターにサインインし、[Exchange] より Exchange 管理センターにアクセスします。
2. [受信者] > [メールボックス] の順にクリックします。
3. 設定対象のユーザーの表示名をクリックします。
4. [メールボックス] タブ > [メールボックス ポリシーの管理] の順位クリックします。
5. "共有ポリシー" 項目配下のプルダウンメニューから作成した個別共有ポリシーを選択します。
※ 作成直後の場合、表示されていない可能性がありますので、時間を空けてご確認ください。
6. [保存] をクリックします。