Azure Virtual Desktop (AVD)を利用している環境にてTeams会議で画面共有を行うとフリーズする場合の回避策についてご紹介したいと思います。
Azure Virtual Desktop(AVD)
Microsoftが発表したAzureで提供するWindows10のデスクトップ仮想化(VDI)サービスです。Windows Virtual Desktop(WVD)から名称変更され、機能追加やリブライディングがおこなわれました。AVDは「デスクトップ環境をクラウドで提供するサービス」であるDaaSに分類されます。Microsoft365との互換性が高いです。
確認事項 1
Azure Virtual Desktop 上でのメディア最適化が行われていない場合は、 メディア最適化を行って事象が解消するかご確認ください。
Teams でメディアの最適化を有効にするには、ホスト VM で次のレジストリ キーを設定します。
スタート メニューから、レジストリエディターを管理者として実行します。 HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Teams にアクセスします。 Teams のキーがまだ存在しない場合は作成します。
Teams のキー用に以下の値を作成します。
名前 Type データ/値 IsWVDEnvironment DWORD 1 または、管理者特権の PowerShell セッションから次のコマンドを実行して、レジストリ エントリを作成することもできます。
<実行例>
New-Item -Path "HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Teams" -Force
New-ItemProperty -Path "HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Teams" -Name IsWVDEnvironment -PropertyType DWORD -Value 1 -Force
確認事項 2
Microsoft Teams 会議で画面共有の問題が発生する場合、ネットワーク環境の見直しをすることで改善する可能性があります。
1. 帯域制限がかかっていないか確認する
- 管理者アカウントにてMicrosoft Teams 管理センター(https://admin.teams.microsoft.com) へサインインします。
- 左ペインの[会議] - [会議ポリシー] の順にクリックします。
- 登録済みのポリシー名をクリックし"音声とビデオ" 欄の"メディアビットレート (KBs)" の数字を 50000 以上であるか確認します。
※ 初期値は 50000 です。
2. Microsoft Teams のネットワーク帯域などについて
Microsoft Teams の通信量については、音声通話や会議の内容や運用によって通信量が大きく変わる特性があります。
また、Microsoft Teams 上での音声やビデオ通話 / 会議について、通信状況によっては帯域を下げて自動調整が行われる動作が発生します。
下記公開情報については Microsoft Teams についても適用されるものですのでご確認ください。
また、Teams 会議で音声 / ビデオ通話を利用した場合、一人あたりの帯域は、音声 + ビデオの 2 種類の帯域を使用します。
このとき、音声の発言のない場合や、ビデオの通信にて送信している動画に変化がない場合には通信量が減ったり、動きの多い動画では通信量が増えるなど、常に帯域が変動します。
加えて、十分な帯域が確保できない場合には、可能な限り音声を優先して接続を維持しようとするため、状況にあわせてビデオに利用する帯域を下げる動作となります。
Microsoft Teams の各機能をご利用時の帯域幅については、下記内容の "帯域幅要件" に記載があるのでご確認ください。
3. ネットワークの使用状況
Teams の通信品質については、会議ポリシーの [メディア ビット レート] の設定、およびネットワークとポートの使用状況によって違いが生じる可能性があります。
UDP ポートが利用できないネットワーク環境では、TCP 443 / 80 にフォールバックされて通信を行う実装がありますが、そのような環境では、メディア通信の品質が著しく低下することが想定されます。
そのため、UDP ポートでの通信を許可することをお勧めします。
※ [Skype for Business Online and Microsoft Teams] をご確認ください。
Microsoft Teams では UDP 3478 - 3481 のポートが、音声 / ビデオ通話、デスクトップ共有のメディア通信で利用されています。
4. IP アドレスレンジとポート番号の設定が行われているかどうか確認する
プロキシサーバーやファイアウォール等の IP / URL に対するフィルタリング設定を行っている場合、下記に掲載されている設定が必須です。
利用中のサービスの [最適化 必須]、[許可必須]、[既定値 必須] のカテゴリに記載されているIP アドレスの範囲 / URL の通信は、すべて通信を許可することが必要です。
※ [SharePoint Online と OneDrive for Business] および、[Exchange Online] [Skype for Business Online および Microsoft Teams] [Microsoft 365 Common および Office Online] の項をご参照ください。
5. VPN 接続について
VPN を利用の際は Microsoft Teams における通信に影響を及ぼす場合があるため、VPN をバイパスすることを推奨しているため、スプリットトンネル VPN を利用しているかご確認ください。
6. プロキシ接続についての確認
Microsoft Teams は、プロキシ利用を推奨しておらず、プロキシ環境下において様々な問題が発生することを確認してます。
そのため、プロキシを利用している場合は、別のネットワーク環境で事象が発生するか確認してみてください。
プロキシ サーバーの使用はお勧めしません。
プロキシを使用してTeamsまたはSkype for Business場合は、プロキシをバイパスする方法をお勧めします。トラフィックは既に暗号化Teams、プロキシTeamsセキュリティSkype for Businessセキュリティを確保しません。
プロキシを使用すると、問題が発生する可能性があります。パフォーマンス関連の問題は、待機時間とパケット損失によって環境に発生する可能性があります。
確認事項 3
事象発生のユーザーにて、以下の手順にて、Teams のキャッシュ クリアをすることで事象が改善するかご確認ください。
- Teams がまだ実行中の場合は、タスク バーの [Teams] アイコンを右クリックして、[終了] を選択します。
- Windows ロゴ キー +R キーを押して、[実行] ダイアログ ボックスを開きます。
- [ファイル名を指定して実行] ダイアログ ボックスに、「%appdata%\Microsoft\Teams」と入力し、[OK] を選択します。
- %appdata%\Microsoft\Teams ディレクトリ内のすべてのファイルとフォルダーを削除します。
- Teams を再起動します。
Teamsの画面共有がうまくいかない場合は、以下の記事でご紹介しておりますので参考としてくださいね。