- プライマリメールボックスの回復可能なアイテム領域の情報
- アーカイブメールボックスの回復可能なアイテム領域の情報
- インプレースアーカイブ 機能について
- インプレースアーカイブを有効にする手順
- インプレースアーカイブ (アーカイブメールボックス) を利用するためのライセンス要件
- アーカイブメールボックスの容量について
- Outlook クライアントを利用の場合
Outlookクライアントにて、[メッセージストアが最大サイズに達しました。メッセージストアを減らすには、outlookをオフラインモードで起動し、必要のないアイテムを選択します。そして、shiftとDeleteキーを使用してアイテムを完全に削除してください。] のエラーが表示される場合は、回復可能なアイテム領域がひっ迫している可能性があります。
回復可能なアイテム領域がひっ迫しているかは、Get-MailboxStatistics の TotalDeletedItemSize で確認ができます。
以下の記事を参考にExchangeOnlineに接続してから実行してください。
プライマリメールボックスの回復可能なアイテム領域の情報
[実行例]
Get-MailboxStatistics -Identity user001@contoso.com | Select TotalDeletedItemSize
アーカイブメールボックスの回復可能なアイテム領域の情報
[実行例]
Get-MailboxStatistics -Identity user001@contoso.com -archive | Select TotalDeletedItemSize
回復可能なアイテム領域の容量がひっ迫した場合の回避策として、保持機能を無効化し回復可能なアイテム領域のアイテムを削除する方法とインプレースアーカイブを有効化し、アーカイブメールボックスにアイテムを移動する方法があります。
回復可能なアイテム領域の削除だとバックアップを取っていない場合はリスクがありますので、インプレースアーカイブを有効化する回避策についてご案内させていただきます。
インプレースアーカイブ 機能について
インプレースアーカイブ (アーカイブメールボックス) は、アイテムの保管可能な容量を増やし、メールボックスの使用可能な容量を逼迫せずにご使用いただくことを主な目的として利用する機能です。
インプレースアーカイブ機能を有効化すると、プライマリメールボックスの他に、別途アーカイブメールボックスが作成されます。
インプレースアーカイブを有効化することで、アイテム保持ポリシーの動作により、プライマリメールボックス内のアイテムはアーカイブメールボックスに自動移動され、プライマリメールボックスの容量を確保できます。
プライマリメールボックスの回復可能なアイテム領域に存在するアイテムについてもアーカイブメールボックスの回復可能なアイテム領域へ移動されます。
インプレースアーカイブを有効にする手順
- 管理者にてMicrosoft365 管理センターへサインインします。
- [管理センター] > [Exchange]にて、Exchange管理センターの [受信者] - [メールボックス] を開きます。
- アーカイブを有効化するユーザーをクリックします。
- 右ペインの[アーカイブ] の [有効にする] をクリックします。
- 警告画面が表示されたら[はい] をクリックします。
※設定が完了すると [メールボックスの種類] が [ユーザー (アーカイブ)] に変化します。
インプレースアーカイブ (アーカイブメールボックス) を利用するためのライセンス要件
・ Exchange Online プラン 1 もしくは Exchange Online プラン2 が含まれるライセンスが必要です。
Office 365 Enterprise F1 および Exchange Online Kiosk では利用することができませんのでご留意ください。
アーカイブメールボックスの容量について
Exchange Online Plan2、または Exchange Online Plan 1 + Exchange Online Archiving For Exchange Online 利用時のアーカイブ容量は下記となります。
・アーカイブメールボックスの通常領域/回復可能なアイテム領域、双方ともに 100GB (既定)
なお、自動拡張アーカイブ機能を有効化することで、最大 1.5TB まで利用可能です。
自動拡張アーカイブについては、以下の記事をご参照ください。
Outlook クライアントを利用の場合
Outlook クライアントにてインプレースアーカイブを利用する場合、Outlook クライアントにはライセンス要件があります。
※ Outlook on the web ではライセンス要件はありません。
ライセンス要件についてまとめられた以下の公開情報をご参照ください。
また、インプレースアーカイブを有効化されるとメールボックスに設定されているアイテム保持ポリシーによるアーカイブメールボックスへのアイテム移動が動作します。
メールボックスを新規作成された際、既定のアイテム保持ポリシーが設定されます。
※ 既定では "Default MRM Policy" が設定されます。
既定の Default MRM Policy の中には、"Default 2 year move to archive" という保持タグが含まれており、この保持タグの動作により、プライマリメールボックスの通常領域にある受信日または作成日から 2 年経過したアイテムはアーカイブメールボックスの通常領域へアイテム移動が行われます。
また、“Recoverable Items 14 days move to archive” の保持タグにより、プライマリメールボックスの回復可能なアイテム領域にあるアイテムが、14 日経過後にアーカイブメールボックスの回復可能なアイテム領域へ移動します。
また、上述したアイテム保持ポリシーについては、管理フォルダアシスタントが動作したタイミングで実行されます。
管理フォルダーアシスタントについて
管理フォルダーアシスタントは、アイテム保持ポリシーに構成されたメッセージ保持設定を適用する Microsoft Exchange メールボックス アシスタントです。
この機能がワークサイクル (最大 7 日) に 1 度処理を行う事により、アイテム保持ポリシーによる保持タグの適用や、アイテムの移動・削除が行われます。
※最大で7日であるため、1日などワークサイクルが短い場合もあります。
設定や変更されたアイテム保持ポリシーは、"管理フォルダーアシスタント" が動作したタイミングで設定が反映され、内容にしたがいアイテムの処理が実行されます。
また、管理フォルダーアシスタントの自動動作の対象となるためには、現在のメールボックスの使用容量が 10 MBを超えたメールボックスが対象となります。
そのため、使用容量が 10MB 未満のメールボックスへ管理フォルダーアシスタントを実行する場合や、管理フォルダーアシスタントの自動動作 (ワークサイクル) を待たずに、変更を行ったアイテム保持ポリシーの設定を反映させる場合などには、PowerShell にて手動で管理フォルダーアシスタントを実行することが可能です。
なお、以下のサイトの手順にて、Exchange Online に接続してから実行してください。
管理フォルダーアシスタントを即時動作させる
[構文]
Start-ManagedFolderAssistant -Identity <対象のメールアドレス>
[実行例]
Start-ManagedFolderAssistant -Identity User001@contoso.com
回復可能なアイテム領域について以下に記事をまとめていますので参考としてくださいね。