今回は、Azure のサーバに Microsoft365 Apps をインストールし、リモートデスクトップで office にアクセスすると以下のエラーが発生した場合についてご紹介したいと思います。
エラー内容
申し訳ございません。Office はリモート デスクトップ サービスで実行するための要件を満たしていないため、ライセンス認証を行うことができません。
このエラーは、共有コンピューターのライセンス認証 (以下 SCA) が有効化されていない場合に表示される場合があることを確認してます。
共有コンピューターのライセンス認証とは、1 つの環境に複数のユーザーがアクセスシテ利用する、マルチセッション環境にて有効化する必要がある設定です。
まずは以下の手順にて共有コンピューターのライセンス認証が有効化されているか確認し、有効化されていない場合は、設定を変更することで解消されるかご確認ください。
SCA が有効化されているかの確認方法について
1. Office アプリケーションから確認する
1. 事象発生環境にて、いずれかの Office アプリを起動します。
2. [ファイル] - [アカウント] をクリックします。
3. [(アプリ名) のバージョン情報] をクリックし、"共有コンピューターのライセンス認証" の表示があるかご確認お願いいたします。
2. レジストリから確認する
以下のレジストリにて、SCA が有効化されているかの確認が可能です。
・ Office 展開ツールを利用の場合
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Office\ClickToRun\Configuration
・ グループポリシーを利用の場合
HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Policies\Microsoft\Office\16.0\Common\licensing
上記レジストリで、"SharedComputerLicensing" の値が 0 の場合は無効、1 の場合は有効となってます。
キー自体が存在しない場合は、SCA は無効の状態です。
SCA の有効化について
SCA が無効となっている場合は、以下の SCA の有効化手順を実施ください。
1. SCA の 前提条件について
SCA を有効化するためには、以下の前提条件が必要となります。
A. 同一端末を共有されます各ユーザーに対し、各ユーザー固有の Microsoft 365 アカウントならびに Windows ログオンプロファイルを用意する
B. 同一端末を共有されますユーザー分の SCA の機能をご利用可能なライセンスを用意する
※ 各ユーザーの Microsoft 365 アカウントに対し、ライセンスを割り当てる
SCA の機能が利用可能な対象のプランの例を以下にご紹介します。
- Microsoft 365 Apps for enterprise
- Office 365 E3
- Office 365 E5
- Microsoft 365 E5
- Microsoft 365 Business Premium
- Office 365 A3
- Office 365 A5
- Microsoft 365 A3
- Microsoft 365 A5
C. Microsoft 365 Apps に対して、SCA を有効化する
2. レジストリの情報の編集から、インストール済み Microsoft 365 Apps の SCA を有効化する手順
1. レジストリ エディタを起動します。
※ 画面左下 Windows のマークを右クリックし、[ファイル名を指定して実行] より "regedit.exe" と入力し、レジストリ エディタを起動します。
[ユーザー アカウント制御] の画面が表示された場合は、[はい] をクリックします。
2. 以下のレジストリ情報を開き、値を変更します。
レジストリキー : HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Office\ClickToRun\Configuration
値の名前 : SharedComputerLicensing
値の種類 : Reg_SZ
値のデータ : 1
3. SCA を有効化するポリシーについて
以下のグループポリシーの設定で、SCA を有効化することが可能です。
[管理用テンプレート]
- [Micorosoft Office 2016 (マシン)]
- [セキュリティ設定]
- [ライセンスの設定]
- [共有コンピューターのライセンス認証を使用] ポリシー