Office365を利用していて何かトラブルが発生した場合にサポート窓口に問い合わせることもあると思います。
その場合、FiddlerとPSRを取得しておき、窓口に提供することで回答を得られる効率を上げることができる可能性があります。
それぞれの概要と取得手順をご紹介していきたいと思います。
Fiddler トレース
Fiddler トレースは、該当端末の HTTP(S) 通信の確認を目的に採取します。
PSR 情報
Fiddler トレース採取時の的確な調査・追跡を行うために、問題ステップ記録ツール (PSR) を使用し、事象再現時のキャプチャーを採取します。
※スクリーンショットで再現手順を取得することができます。
情報採取の詳細手順
<1. 診断ツールのダウンロードおよび起動する手順>
1-1. [IdentityAuthTracing_Diagnostic_global.diagcab] を直接 http://aka.ms/icesdptool からダウンロードします。
1-2. ダウンロードした [IdentityAuthTracing_Diagnostic_global.diagcab] をダブルクリックで起動します。
<2. 診断ツールの手順>
2-1. [Office のサインインと認証の診断] 画面が表示されましたら、[次へ] をクリックします。
2-2. [Office のサインインと認証の診断] 画面が [はじめに] の説明が表示されている画面に切り替わりましたら、[次へ] ボタンをクリックします。
2-3. Fiddler の証明書をインストールするためのダイアログ ボックスが表示されますので、[はい] をクリックします。
※ 証明書のインストール画面がダイアログ ボックスの裏に起動する場合がございます。証明書のインストール画面が表示されない場合は、[問題の検出をしています] 画面のウィンドウを移動し、ウィンドウ裏に証明書インストールの画面が起動していないかご確認ください。
2-4. [次へをクリックすると、ログの記録が開始されます。] とダイアログ ボックスに表示されるので [次へ] をクリックします。
※ ウィザードにより、開いているすべての Office アプリケーションおよび実行中のプロセスが閉じます。いずれかが開いている場合は警告が表示され、作業を保存して閉じる時間が提供されます。何も開いていなければ、割り当てられた時間が終了するとプロセスも終了します。
2-5. [ログ記録は行われています] の画面が表示されましたら、事象の再現手順の操作をお願いいたします。
2-6. 事象の再現手順の操作が完了いたしましたら、[ここでキャプチャーを終了します] をクリックします。
2-7. 項番 "2-3" でインストールした Fiddler の証明書の削除を実行するセキュリティ警告が表示されますので、[はい] をクリックします。
2-8. トレース ファイルを保護するためのパスワードが求められますので、任意のパスワードを入力し、[わかりました] のボタンをクリックします。
2-9. [インストールされている OffCAT のままにしますか。] の画面が表示されましたら、任意の選択肢をクリックします。
2-10. [トラブルシューティング ツールを終了する] をクリックし、診断ツールを終了します。
上記の手順にて、以下のファイルパスにトレース ファイルが格納されたフォルダーが出力されます。
<出力されるファイルパス>
C:\Users\<PC のユーザー名>\AppData\Local\ElevatedDiagnostics
※ 上記ファイルパスには隠しフォルダーが含まれます。
隠しフォルダーの表示方法が不明な場合は、以下の手順で対象のフォルダーが表示可能かご確認ください。
- [Windows キー] + [R] のショートカットキーで [ファイル名を指定して実行] の画面を起動します。
- [名前] の入力欄に上記パスを入力し、[OK] をクリックします。
上記のパスに生成されたフォルダーの中から、フォルダー名が "Fiddler.zip" ならびに、"IssueSteps.zip" が末尾に記載された 2 つの Zip フォルダーを、当窓口までご提供いただきますようお願い申し上げます。
また、ご提供いただいたファイルの確認を行うために、項番 [2-8] にて入力いただきましたパスワードが必要になります。
なお、ご利用されている環境によっては、Fiddler の取得が正常に実施できない場合がありますので、その場合は、以下の手順にて HAR ファイルと PSR の取得をしましょう。
HAR ファイル取得手順
以下の手順で PSR 情報の記録を開始します。
◇ 1. 不要な情報の採取を避けるために、全てのウィンドウを閉じます。
◇ 2. 以下の手順で PSR を起動します。
2-1. スタート メニューの [ファイル名を指定して実行] にて psr.exe と入力し、[OK] をクリックします。
2-2. "ステップ記録ツール" が起動しましたら、右端の ▼ をクリックし、表示されるメニューから [設定]をクリックします。
2-3. "保存する最新の取り込み画像数" を 25 から 100 に変更し、OK をクリックします。
◇ 3. 以下の手順で PSR の記録を開始します。
3-1. "問題ステップ記録ツール" の [記録の開始] をクリックします。
3-2. "問題ステップ記録ツール" のウィンドウを最小化します。
◇ 4. 事象を確認します。
◆ IE、Edge の場合
- 管理者ユーザーでOffice 365 へアクセスします。
- キーボードにて [F12] を押下します。
- 画面下部にメニューが表示された場合、メニュー右上の [ピン留めを外す] アイコンをクリックします。
- 表示された "F12 開発者ツール" 画面にて画面上部の [コンソール] をクリックします。
- 既にエラー メッセージが表示されている場合、[×(クリア)] アイコンをクリックします。
※Edge の場合、ゴミ箱アイコンです。
- 事象を再現し、表示されたエラーメッセージを右クリックし、[すべてコピー]をクリックし、メモ帳などにコピーし保存します。
- [ネットワーク] タブをクリックします。
- [Ctrl キー] と [S] キーを押下、もしくは、”F12 開発者ツール” 上部の [HAR としてエクスポート] アイコンをクリックしていただき、任意の名前を付けてローカル PC 上に保存をお願いいたします。
- Google Chrome を起動します。
- [F12] もしくは、右上の [...] より、[その他のツール] > [デベロッパー ツール] を開き、[Network] をクリックします。
- Office365にサインインし、事象を再現させます。
- 表示されたリクエストのいずれかを右クリックし、[Save all HAR with context] を選択します。
※複数のリクエストが表示されますが、いずれの場合でも同一のログが出力されます。
※リクエストが表示されない場合は、[Ctrl] + [R] キーを押してください。
- ファイルを保存します。
【ご留意点】
別タブで開かれた場合はログが記録されません。
PSR はマウスのクリックのタイミングで各種情報のキャプチャを行います。
全ての情報を正しくキャプチャするために、文字入力などが必要な時 (認証情報入力時など) 以外は、マウスでの操作を行うようにしてください。
キーボードの Delete キー、 Esc キー、Tab キー、Space キー、Enter キー、ショートカット キーなどによる画面操作は一切行わないでください。
お間違いのないようにマウスで確実に操作を行っていただきますようお願い申し上げます。
正しくない操作として、Enter キーによるボタンの押下、Esc キーによる処理の終了、Tab キーによるフォーカスの移動などがございます。
これらの操作が行われた場合、正しく記録がされないため再度の採取が必要となる可能性がございます。
PSR 情報の記録の停止手順
以下の手順で PSR 情報の記録を停止し採取します。
- "ステップ記録ツール" (PSR) の画面を前面に出します。
- [記録の停止] をクリックします。
- ファイルの保存場所、ファイル名を指定し、保存します。
Fiddlerがうまくいかない場合
・別ネットワークでの実施。
・別端末での実施。
・管理者アカウントで実施。
なお、iPhoneやiPadなどもモバイルで事象が発生する場合には、以下の手順にて、Fiddlerと動画を取得することができます。
iOS端末でFiddlerを取得する場合
▽ Fiddler のインストール
1) Windows PC 端末から http://fiddler2.com にアクセスし、[Download now] をクリックします。
2) "How do you plan to user fiddler?" にて [Other] に選択します。
3) "your email" の入力ボックスに任意のメール アドレスを入力します。
4) "Country" のプルダウンより [Japan] を選択します。
5) 画面下部の 2 つのチェックボックスをオンにし、[Download for Windows] をクリックします。
6) Fiddler のセットアップツールがダウンロードされますので、[実行] を行い画面に沿ってインストールします。
▽ Windows PC 端末側での操作
1) Fiddler を起動します。
2) [Tools] > [Options] と進みます。
3) [HTTPS] タブにある "Decrypt HTTPS traffic" を選択します。ここで Fiddler 証明書のインストールを求められる場合があります。
4) [Connections] タブの [Allow remote computers to connect] を選択します。
5) [OK] をクリックします。
6) Fiddler を再起動します。
▽ iOS デバイス側での操作
1) 事象発生 iOS 端末にてご利用の Wi-Fi ネットワークに他のデバイスが接続していないことを確認し、以下の操作をお願いいたします。
2) [設定] - [Wi-Fi] をオンにし、接続されているワイヤレス ネットワークの横にある青い (i) アイコンをタップします。
3) [HTTP Proxy] (HTTP プロキシ) セクションで [Manual] (手動) を選択します。
4) サーバー欄に上記にて Fiddler をインストールした Windows 端末 の IP アドレスを入力します。このとき、ポート番号は 8888 (Fiddler の既定値) とします。
5) iOS 端末のブラウザー アプリにて、以下 URL にご利用 PC の IP アドレスを当てはめて、Fiddler のプロキシ証明書にアクセスします。
※ Windows 端末の IP アドレスが 20.2.2.20 の場合
6) ブラウザーの [Fiddler Root Certificate] (Fiddler ルート証明書のダウンロード) をクリックし、インストールします。
7) [設定] - [一般] - [情報] - [証明書信頼設定] で、[DO_NOT_TRUST_FIDDLERRoot] を信頼するように設定します。
8) これにより、お使いの電話の HTTPS トラフィックが PC 上の Fiddler に表示されます。
▼ 2. スクリーン レコーディングの準備
1) ホーム画面より、[設定] をタップします。
2) [コントロールセンター] をタップし、[コントロールをカスタマイズ] をタップします。
3) "画面収録" 横の [+] アイコンをタップします。
4) 画面の最下部から上または右上から下にスワイプし、[録画] アイコンをタップします。
▼ 3. 事象の再現
1) SharePoint アプリを開きます。
2) サインインできませんでした と画面に表示させます。
▼ 4. 各ツールで記録を保存する
1) 事象の再現完了後、Windows 端末にて Fiddler 画面上の [File] > [Save] > [All Sessions] と進み、ローカルに一旦ファイルを保存してください。
2) 続いて操作を行った iOS 端末にて画面の下端から上にスワイプし、[録画] アイコンをタップして、停止します。
3) 本手順により、スクリーン レコーディングにて取得されたシナリオ再現時の動画が "写真 .app" へ保存されます。
4) 手順 1) と 3) にて保存いただいたファイルを弊社までお寄せくださいますようお願い申し上げます。
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